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人材、そして健育会グループの道しるべ MVVについて

1995年に父である先代理事長がなくなったことをきっかけに、理事長に就任することになりました。
就任当時、ありがたいことに病院経営は数字的に見ると悪くありませんでした。しかし組織内部に目を向けると、長期間続いた会社が陥りがちなことですが、健育会グループも組織に活力が無く膠着した状態でした。私の目にはやる気のある職員が入社しても、その人に仕事が集中してすぐにやめてしまい、やる気の無い人ばかりが組織に残ってしまうというような、特に人材に関しての悪循環に陥っているように思われました。この組織が病気に陥っているという状態からどのように健全化を図っていくかというのが、理事長に就任した私にとって初めの重要な課題でした。

健育会の見える化組織としての魅力が薄い中、新しい優秀な人材を登用することは難しく、またこの膠着化は、働く人の問題ということよりも、一種の組織病ではないかという認識を持ち、いくつかの改革を行いました。まず行ったことは「組織としての方向性を示すこと」です。それは目指すべき方向性を定め、この組織に集う皆が同じ方向へ進むことができるようなしくみをつくることが第一だと考えたからです。就任当初にミッション(M)とビジョン(V)を定め、その浸透につとめました。そしてその5年ほど後、外部の識者からのご指摘を受け、実現すべきバリュー(V)を追加したのです。このMVVは、現在も私たち健育会グループの道しるべとなっています。

次に行ったことは「教育と人事制度の整備」です。「頑張る人を応援し、頑張った人を評価する」という、とてもシンプルで当たり前のことですが実は組織を健全化していくには欠かせないこと軸に制度の見直しを行いました。たとえば、グループや病院への貢献度、個人目標の達成度合い、グループの職員としてふさわしい行動がとれているかなどを公平・公正に評価する人事評価制度。職員一人ひとりが能力向上をめざすことを応援する教育制度。そして、月一回、病院運営や質の向上等に著しい貢献をした職員を表彰する理事長賞などの制度を整えました。

このような取り組みの中で、着実に職員は変化してきていると感じています。 「言ってもやらない」状態から数段階の成長や変化を経て、現在では「言わなくても、目指すべき方向に向けてどんどん自ら動く」職員が増えてきていることには、感謝の念すら感じます。

手前味噌ではありますが、理事長就任以来描いていた人材の姿が、今実現しつつあります。しかしそれで満足するのではなく、より高いレベルでMVVを実現できる病院グループになることができるよう、日々職員にメッセージを発信し組織を高めていきたいと考えています。

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