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医療専門職に必要な論理的思考

竹川理事長

理事長私は、質の高い医療を継続的に提供していくために「医療専門職は、論理的思考・統計的な視点を身につけた科学者であるべきである」と常々考えています。
私は大学病院に勤めていた時代に、学会発表を多い年で一年に4回行った経験がありますが、学会発表というのは日常業務にプラスして発表の準備などを進めなければならず、非常に多忙で大変でした。しかし振り返ってみれば、沢山の先生や諸先輩方にアドバイスを頂きながら発表をまとめていく過程は、論理的思考や統計的な視点を磨く良い機会となりました。またそのような感性を持つことで、患者さんを診る目や業務請負全体に対する視野を広げることができ、そのことを日常業務の質の向上に結びつけることができることを体験してきました。この経験から、私は看護研究・リハビリテーション研究をはじめとした研究活動を、グループ内で推奨しています。

叶 谷論理的思考を学ぶことは、私も大切だと感じています。
私は大学で教育に関わっていますので、毎年、学生に最新の知識を教え、卒業研究を指導し、そして卒業生を現場に送り出しています。卒業してすぐは、新米で全く役に立たず、頭でっかちですし、知識も2−3年も経てばすぐに古いものになってしまいます。しかし、理論や物事の枠組み、研究の手法をしっかり学んでいるので、現場で経験を積み重ねていくうちに、目の前で起こっている現象を理論的に理解したり、また疑問に思ったことをすぐに研究に結びつけていくことができます。そのため大学で看護を学んだ学生は「はじめは頭でっかちで何もできないけど、成長の伸び代がある」と病院関係者から言われることが多いのです。
一方、健育会グループでは看護学生時代に研究活動に携わる機会がなかった人でも、入職した後に学ぶ機会がたくさん与えられており、論理的思考を磨いて成長してゆけることは素晴らしいことだと思います。論理的思考を学ぶことで、日々の気づきを見落とさず、皆に役立つ知識にまで高めることができるのだと考えています。

叶谷先生

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