そして、鎌田先生の講座がはじまりました。親しみのある語り口調に会場全体がひきこまれました。

■ 講演の要旨

  • 講演される鎌田先生・放射能は見えないが、思い込みで怖がるのも、安易に大丈夫だと考えてしまうのもよくない。批判し合ったりする前に、現実を見つめ、正しい情報を知り、自ら判断することが大切である。
  • ・子どもの被爆量を少しでも減らすのは大人の役割。例えばある家の屋内において、様々な場所で放射線量を調べたら、赤ちゃんのベッドを置く場所変えるなど、少しの工夫することで被爆量を1/3に減らせることがわかった。正しい情報を知り、除染を行うことで、放射能から子どもを守ることができる。
  • ・支援に入るときは、相手の身になって考えることが大切だ。自分だったらどうして欲しいのかを真剣に考えることからはじまる。
  • ・何事にも、よくばらない。私は、自分自身の時間を99%は家族のため、自分のために使おうと考えているが、1%は知らない誰かのために生きようと考えている。1%だったら気負わずに誰でもできる。そして、この国のみんなの1%が集まれば、この国はきっと温かくなるはずだと思う。この国は行き詰まっている。こんなときこそ優しさが必要なのだと思う。
  • ・復興はマラソンのようなもの。全力疾走しては疲れてしまう。肩の力を抜き、がんばりすぎないこと。がんばろう、がんばろうとがんばり続けると、萎縮して小さく最後になってしまう。時には息を抜き、遊び、おいしいものをたべることも必要だ。
  • ・みんな福島が好き。このような状況の中、全ての行動に正解がある訳ではない。皆で○に近い△を探す。自分たちのことは自分たちで行う、賢明な市民になることが大切だ。

いわき湯本病院副院長 大根田 実先生

鎌田先生からは実際に先生が見たり聞いたりした出来事と、その出来事からの教訓をお話しいただき、時に感動あり、時に笑いありの講演となりました。

最後に、いわき湯本病院副院長 大根田 実より、本日参加いただいたお礼と、「今回の講演を力にして、福島での様々な苦労を共に乗りこえてゆきましょう」との閉会ご挨拶を行い第一回いわき湯本病院市民医学講座は幕を閉じました。

いわき湯本病院では、今回の第一回目の市民医学講座をきっかけに地域の皆さまの力になる情報を発信し、医療法人としての地域貢献を行っていきたいと考えています。

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