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全ての演題が終わった後、亀山教授から講評を頂きました。

「大変貴重なご発表を頂きました。老人保健施設の本来の目的は、在宅復帰・社会復帰ですが、現状では困難な方々が多い実態が有ります。そのような中で、ご発表ではそのような状況を踏まえつつも、本来の老人保健施設の目的を追求されており感銘をうけました。

 亀山 幸吉 教授介護老人保健施設オアシス21の発表では、福祉や介護の中では「可能性の哲学」ということがありますが、諦めないということを追求された事例であると感じました。
介護老人保健施設しおさいの発表では、看護と介護で活動的な生活をささえているというお話でした。看護は生命力のところで目的を考えていると思うのですが、介護の方は生活力を考えており、生活力というのは生きて活動するということをしっかりと実践されたと思います。
介護老人保健施設しおんの発表では、震災等大変困難な中で、社会資源を踏まえて、ソーシャルアクションといいますか、単に地域だけではなく、国の社会資源へのアプローチをよりいっそう強めていかなければならないだろうということを教えられました。

ケアセンターけやきの発表では、単に医学リハの領域ではなく生活リハと言う展開のご発表でした。あわせてMDSのマネジメントからICFのマネジメントに転換しつつあるので、そういう点で問題を消去すると言うことから、ご本人の環境をどう支えていくのかということで、ICFの観点での取り組みが進んでいたと感じました。これは、他の施設のご発表でも感じたことです。

 亀山 幸吉 教授特別養護老人ホーム ケアポート板橋の発表では、‘あたりまえ’という、福祉で最も大切にしているノーマライゼーションの考え方で、どんな障害があっても当たり前の生活を支援しようという観点で実践されたことに関して感銘を受けました。

ひまわり訪問看護ステーションの発表では、レスパイトケアの問題も、ご本人のニーズに照らし合わせて、家族に焦点をあてていました。本人だけにアプローチしがちですけれども、介護問題は家族にどうアプローチしていくのか、家族の支援をしていくのかという問題があります。それについて大変貴重なご発表だったと思います。

ライフケアガーデン熱川の発表では、支援する内容によって表情が豊かになっていく、その人らしさを引き出すと言うことについて、今、福祉系介護系でエンパワーメントと言う、持っている力をいかに引き出すかということについて求められています。ですから大変貴重な、そしてもっとも求められている内容の発表だと感じました。

最後のライフケアガーデン湘南の、ご利用者の食を満たす取り組みですが、福祉の中で原点とされている石井十次という人が、‘食べることは生きることの原点である。’と言っています。それを改めて感じました。」

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