最新レポート

続いて、リハビリテーション部門7題の研究発表が行われました。

リハビリテーション部門 研究発表

【座長】 竹川病院 回復期リハビリテーションセンター長 酒向 正春

生態電気インピーダンス法による体節別筋量測定 石巻健育会病院 後藤 美郷
測定姿勢の構えが異なる場合に、生体電気インピーダンス法(BIA)によって測定された各体節の筋量がどのような影響を受けるのかを明らかにするとともに、姿勢間の測定値の関連性や、正しい測定値に換算が可能か否か検討した。大腿と下肢全体には測定姿勢(構え)の違いによる影響はなかった。その他の体節では有意な差は認められたが、姿勢間で測定値の換算ができる可能性が示唆された。
腹式呼吸による介入が腹部深層筋へ与える影響 〜筋電図学的検証を用いて〜 熱川温泉病院 渡邉 康介
腹式呼吸が腹部深層筋を活性化させ、動的バランスを要する課題下にて腹部深層筋、背部筋の活動にどうに影響するのかを筋電図を用いて検証した。結論 20代健常成人男性に対し、腹式呼吸による介入にて腹部深層筋の活用かを図ったが、介入前後においてタンデム歩行時の効果的な活動の変化に繋がらなかった。
太腿骨付近部骨折術後患者に対する市販足底板の即時効果 花川病院 久保田 亮平
足部への介入として簡易に使用できる市販の足底板を用いて、大腿骨近位部骨折患者の痛みや立位荷重量・歩行に即時的な影響を与えるのかを調べた。結論として、使用した足底板は全対象者に対し痛みや荷重量・歩行速度に即時的な効果を示すものではなかったが、痛みや経過を考慮することで、友好的な活用ができる可能性があると考えられた。
非特異的腰痛者におけるサイドブリッジ持久力テスト・疼痛の関係について 竹川病院 櫻井 瑞紀
先行研究によって非特異的腰痛(Nonspecific Low Back Pain : NLBP)者におけるサイドブリッジと日本整形外科学会腰痛疾患質問票・疼痛の程度・頻度の関係については明らかとなっていない。そこで、NLBP者の体幹等尺性持久力と疼痛程度・頻度の関係を明らかにした。結論としては、慢性のNLBP者の運動特性として体幹等尺性持久力の低下と左右不均等の存在を示すことができた。
椅子座位姿勢での駆動様式によるバイタル変動 〜自動車エルゴメーターの活用〜 いわき湯本病院 篠原 はるか
生活期においても実施できる運動耐容能を向上するためのプログラムを考案したいと考え、生活期の対象者でも保持できる椅子座位姿勢での駆動が活動かつ効果的に実施できるか検証することを目的とした。結論として、椅子座位自姿勢の駆動様式は生活期における虚弱高齢者にも効果的に一定強度の運動処方が安全に実施できる可能性があると考えられた。
高齢者における心臓リハビリテーション 〜心臓リハビリの実況状況〜 石川島記念病院 村上 和志
歩行補助具の有無が心臓リハビリテーション(心リハ)を実施するにあたり、どのような影響があったかを明らかにし、今後の課題を検討することを目的とした。結論として、心リハを実施した歩行補助具を要する群は高齢でリハビリ日数が長期にわたり、有酸素運動の導入は困難であった。よって、病棟の協力も得ながら安全で有酸素運動が実施しやすい環境づくりが必要である。
地域包括ケア病棟入院患者の転帰に関する検討 〜西伊豆地域における現状分析〜 西伊豆健育会病院 西木 優
A病院地域包括ケア病棟入院患者と地域包括ケア病棟協会による地域包括ケア病棟入院患者(協会集計)の現状を比較検討した。さらに、A病院地域包括ケア病棟入院患者の特性とリハの現状を検証することを目的とした。結論として、西伊豆という超高齢化・僻地地域においては、単に自宅復帰を目指すだけではなく、地域特性を考慮し、患者のニーズに応じたチーム医療による在宅復帰支援を行っていくことが重要であると考えられた。
研究会の様子

教育・研修