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リハビリテーション部門の演題が全て発表された後には、座長の酒向先生から以下のような講評をいただきました。

酒向先生非常に真面目な発表が多かったと思います。
石巻健育会病院、熱川温泉病院の発表はどちらも健常な方を使っての研究でしたので、是非来年は、ご自身の病院の患者さんで取り組んでいただきたいと思います。
花川病院の発表では、痛みをコントロールできるということは非常に素晴らしいことだと思います。それによって、平均在院日数が減っていく可能性があると思います。痛みのある方、ない方でしっかりデータを出して、数をもって話ができると良いと思います。足底板によって痛み止めでなくて、効果があるということであれば、素晴らしいデータになっていくと思います。
竹川病院の発表も、健常者ということでしたが、やはり高齢者の慢性腰痛の方に取り入れていく、また、この取り組みはまちづくりの健康寿命を延ばす予防的な取り組みとして非常に使っていけると思いますので、そういった形でデータを出していかれることも大切だと思います。
いわき湯本病院の発表は、こちらは臨床でも行っていますが、是非どんどんデータを出して欲しいと思います。
石川島記念病院の発表は、いろいろな切り口で心リハをもっと臨床解析できると思いますので、来年度、さらに症例が増えて提示していただけることを期待しています。
西伊豆健育会病院の発表は、地域包括ケア病棟で、どの程度の患者さんをお家に返して、それが在宅で安定して生活できるというところをしっかりフォローしていただくことによって地域包括ケア病棟の重みが出てくると思いますので、是非データを楽しみにしています。

今後の取り組みについてお話ししたいと思います。
回復期に焦点を当てると、リハビリテーションは効率が求められる時代に突入しました。今までは療法士のみでリハビリを行っている回復期リハビリテーション病棟がたくさんありました。しかし平成28年度診療報酬改定では、療法士だけが頑張っている病棟は6単位、療法士を含めたチーム医療でリハビリに取り組む病棟は9単位まで承認するということになります。リハビリの効果については、決められた算定式によって算出しますが、ボーダーである27点は、健育会グループのようなチーム医療でリハビリに取り組む病院では、確実に上回ることができると考えています。
では、リハビリで人間力を回復するためには何が必要なのでしょうか。原疾患管理、全身管理、攻めのリハが必要です。ナース・ケアが患者さんをサポートし、リハが攻めのリハビリに取り組み、ドクターがうまくいかない患者さんを管理する。それぞれの役割を果たしながらチーム全体で取り組んでいく、チーム医療が必要です。
来年度の取り組みでどのようなことが必要か、私なりに考えてみました。看護師では、「回復期リハ病棟における原疾患看護」「全身管理の看護」「リハ栄養と疾患予防」など、療法士では、「原疾患別のリハ戦略」「下肢装具を使った立位歩行戦略」など、当たり前のようで実は形になっていないことがたくさんあります。本日もたくさん素晴らしい発表がありましたが、実際に即して、健育会パスのような「健育会として、このように取り組む」というスタンダードを作ることで、27点という値は簡単にクリアできると考えています。

健育会グループでは、これからも研究発表を通じてグループ全体のレベルアップをはかっていくと共に、外部の学会への発表を通じて、医療・介護の発展に貢献したいと考えています。

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