最新レポート

続いて、看護部門7題の研究発表が行われました。

看護部門 研究発表

【座長】 横浜市立大学 医学部看護学科老年看護学 教授 叶谷 由佳 先生

冠動脈CTにおける検査イメージが患者に与える効果〜検査オリエンテーションを映像化する〜 石川島記念病院 里村 牧
冠動脈CTの検査オリエンテーションに映像を用いることで患者の検査へのイメージかが図られ、かつ検査の精度が向上するかを検討することを目的とした。冠動脈CTにおいて映像を用いた検査オリエンテーションは、口頭でのオリエンテーションに比して患者に検査イメージを持たせるとは言えない。しかし、映像視聴により画像精度が向上する傾向があり、患者の利益になる可能性があることが示唆された。
回復期リハビリテーション病棟におけるベッド・車椅子間移乗時見守り解除アセスメント指標の検証 花川病院 大平 みどり
回復期リハビリテーション病棟におけるアセスメント4項目(①毎回移乗時に車椅子のブレーキをかけられる、②毎回移乗時に車椅子のフットレストを上げられる、③起立から着座までの一連の動作を毎回ふらつかずに遂行できる、④動作バランスを崩した際に自分で体勢を立て直せる)の妥当性を検討した。
アセスメント4項目と移乗見守り解除の成否に有意差があり、感度・特異度共に100%であったことからアセスメント4項目は妥当性があると考える。アセスメント4項目は、対象疾患を問わず回復期リハ病棟で活用できる。
FIM「トイレ動作」に着目した動作自立への考察 竹川病院 佐藤 裕太
e-ラーニングの受講回数と「達成動機」「個人要因」との関連を明らかにすることを目的とした。FIMトイレ動作に着目し、具体的アプローチでトイレ動作を改善させるプログラムを導入した。入院時2〜4点から退院時5点以上に改善した症例の割合は導入後有意に増加した。また、プログラムは自宅復帰率の向上にも貢献した。
医療療養病棟におけるスキンーテアハイリスク患者の発生要因の調査 石巻健育会病院 小山 友紀
医療療養病棟のテアハイリスク患者のうち、テア発生者の発生要因を明らかにした。テア発生群は、非発生群に比べ、平均年齢が高い患者、FIM合計点数が低い患者、ブレーデンスケール点数が低い患者が多かった。よって、介助量が多い医療療養病棟テアハイリスク患者がこれらの個体要因に該当した場合、さらにテア発生リスクが高くなる可能性が示唆された。
e-ラーニングの学びを実践に生かすためのグループワーク効果 西伊豆健育会病院 伊東 陽子
e-ラーニングで学んだことをグループワークする場を作り、それが看護実践に活かせるのかを明らかにすることを目的とした。e-ラーニング受講後にグループワークを取り入れることは、e-ラーニング受講のみよりその内容の理解が深まった。また、グループワークに参加することで五感を使って観察することができ、実践に生かすことができる仕組みの一つであることが示唆された。
看護・ケア計画一元化の継続による介護職員の行動の変化 熱川温泉病院  竹田 知里
看護・ケア計画一元化を導入し、仕事に対するやりがいと協働に対する意識の変化があった療養病棟の介護職が、一年後にどのように行動が変化したかを明らかにすることを目的とした。
看護・ケア計画一元化によって、看護職と介護職が話し合う良い機会となり、受け持ち意識を向上させ、双方の視点で意見交換を行うという行動の変化に繋がることが示唆された。
温泉を取り入れた足浴が睡眠に及ぼす影響 いわき湯本病院 松本 ヒサ子
A病院施設内に取り入れられている温泉を利用した足浴を行い、夜間の睡眠状態を観察し、睡眠に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
足浴直後の皮膚温に有意差がみられ、温泉の方が睡眠のタイミングを制御できる傾向があると示唆された。

教育・研修