最新レポート

「医療の部」の発表後、座長を務められた花川病院院長の憲 克彦先生から、以下のような講評をいただきました。

憲 克彦先生

「茅ヶ崎セントラルクリニックでは、一般的には30年にわたる透析の生存率は10%に満たないという中、51歳から30年もの間、安定した透析の提供を行なっておられました。この成果は、患者さんの意思とチームによる成果であると感じました。今後のご報告をお待ちしております。

西伊豆健育会病院では、朝6時という早い時間に救急搬送された重篤な患者さんへの対応のためレッドコードが出され、早朝にもかかわらず約10人の精鋭のスタッフが瞬時に集まり初期治療を淡々と進められたということで、患者さんを救命するという使命感が素晴らしく、一歩進んだチーム医療であると感服いたしました。

熱川温泉病院では、20歳という若年の交通外傷の後遺症で、高次脳機能障害をきたした症例でした。チームが協働してコミュニケーションによる笑顔や楽しい思いなどの快刺激の促通を測ったことで大脳の活性化に繋がり、身体機能や認知機能の早期改善、発話の獲得に至ったとの考察や、患者さんが他人を思いやる反応が出るなど、画期的な新鮮さがあり勉強になりました。

石巻健育会病院では、骨折のある認知症患者の治療の継続や幹部の安静保持は困難になることが多い中、チームで統一した疼痛コントロールを行い、認知機能についても維持するという素晴らしい結果でした。しかも、発症から42日目に退院とのことで、素晴らしいの一言です。見習いたいと思いました。

竹川病院では、予後の説明がされていて生きることへ悲観的な患者さんに対し、自宅退院の可能性を示すことで本人の意識・行動が変化し、「しているADL」と「できるADL」を近づけ、早期退院に結びつけた報告でした。チームが諦めないことこそが大切だという、一番大事なことを学ばさせていただきました。

石川島記念病院では、今後、増えるであろう高齢者の肺癌へ模範的な対応となる症例でした。肺感染の状態の悪化、ADLの低下、栄養低下、インシュリンの不良等の患者さんをチーム医療で手術ができる状態まで改善させ、さらに術後に再入院した後に独居に戻るという素晴らしい結果で感服しております。

いわき湯本病院では、急性動脈解離の片麻痺で、ADL低下、硬直障害が残存する可能性が高いという中で、諦めずにチームアプローチを続けるということが素晴らしかったと思います。チーム医療の大きな可能性を感じました。

花川病院では、回復期のチーム医療で、洗練されたチーム医療ができたのではないかなと思います。部分免荷のトレッドミルを使ったことで、良い結果を得られたのではないかと思います。

今後もグループ内で取り組みを広げ、学び合いを進めていただきたく思います。本日は貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。」

また最後に、花川病院 石川マネージングディレクターよりご挨拶がありました。

憲 克彦先生

「地域の体育館を使ってこのような会を行うことができ、地域の方にも還元できたと感じております。本日、症例発表はもとより、ご来賓の皆さま、フロアの皆さまから積極的な発言をいただきました。昨年、理事長より、「今年のミラクルは来年のミラクルではない、さらなる進化を期待する」という趣旨のお話がありましたが、今年の発表を見ると、さらなる進化を遂げたのではないかと感じております。本日はありがとうございました。」

教育・研修