Vol.186 ねりま健育会病院は8月下旬に満床達成予定です。

酒向院長兼施設長

Q. 満床達成の要因は?

満床達成には3つのポイントがあると考えています。3つとは「スタッフの数」「スタッフの質」そして「地元の病院からの信頼」です。

一つ目の「スタッフの数」については、現時点で運用していく上での人員数は揃っていますが、実際はギリギリの状況ですので、もう少し増やしたいと考えています。特にリハビリスタッフについては、増強していかなければならないと考えています。

二つ目の「スタッフの質」については、開院からまだ1年4ヶ月ということもありまだまだ発展途上だと思います。その質を上げていくために大切なのは教育です。新入職員に対して、竹川理事長が新社会人に自らの口で理念をご説明されるように、私も新しく職員が入所する際には、必ず大泉学園複合施設で目指す姿について直接お話しさせてもらっています。

特に、大泉学園複合施設では、患者さんが退院してそれでおしまいではないと考えていますので、入院中から「退院後にどのような形で社会に参加・貢献していただき、残りの人生を人間らしく過ごしていただくか、そのためにはどのような支援が必要か」という退院後のより良い生活を思い描きながら、入院中の時間をどのようにお過ごしいただくかをイメージすることが大切だと考えています。現状でそこまで考えながら、全ての職員が看護やリハを行うことができているかというと、それはなかなか難しい状況だと思います。

現在、職員には実際に私と患者さんの間に入りながら学んでもらっている状況です。幸いにも面接時から人材の選定を厳しく行っているということもあり、職員の定着率はとてもよく、そういう意味では勉強したことを着実に蓄積していける環境であると感じています。現在働いている職員が3年をめどに力をつけて、他の職員を指導できる人材に育ってくれると、自ずとスタッフの質は全体的に向上していくと考えています。

三つ目の「地域からの信頼」は、徐々に地域からの評価が上がってきていることを実感しています。例えば地域の開業医の先生方のご両親が調子が悪くなって入院されるということもあったのですが、実際に当院で良くなって行く過程をご覧になられて、その後に実感を込めて我々の病院を患者さんにご紹介くださるという例もありました。また、急性期病院からのご紹介の場合も、きちんと治療をして回復する患者さんの姿をご覧いただくことで信頼を得てきていると感じています。