Vol.206 2019年度 健育会グループ 医師研修会・懇親会が開催されました。

座長は健育会顧問の岩尾總一郎先生に務めていただきました。

今回、関塚先生にご講演いただいた演題は「チーム医療における医師のリーダーシップ『医師が持つべき論語とそろばん』」。

関塚先生は、まず日本主義の父と呼ばれる渋沢栄一や経営学者のピーター・ドラッガー、野口英世などの格言を引き合いに出し、「患者さん、職員、地域を幸せにできなければ、病院の存在意義はない」と説きました。そして患者さんに対しては、家族主義が大切だと語りました。家族であれば最後まで見捨てることはなく、同時に必ずしも良い結果を保証することはできないものの、プロフェッショナルとして最善を尽くさなければいけないとのこと。経営者の使命は、会社や部下の幸せを本気で考え、職員同士が楽しく働ける環境作りをすることが重要だと言います。論語には「楽しんでしまう人には、最後はかなわない」という意味の一節があるそうです。

前述したように関塚先生は、院長在職時の7年間、毎朝7時30分から8時30分まで病院の玄関に立ち、患者さんと職員にあいさつし続けていました。関塚先生から先に「おはようございます」と声をかけると、患者さんや職員からあいさつが返ってくるので、もう一度「おはようございます」とあいさつしていたそうです。1時間で500人以上にあいさつするので、延べ200万回以上あいさつした計算になります。目指していたのは、患者さん、職員、地域の笑顔。関塚先生は、ご自身の造語で「徹凡非凡」という言葉を座右の銘にしており、平凡に徹することは非凡であるという意味とのことです。パナソニック創業者の松下幸之助も「平凡の積み重ねが、非凡を生む」と言っていたそうです。

前のページへ
次のページへ