最新レポート

講演の後は昼食を挟んで、まず看護部門7題の発表が行われました。

看護部門 研究発表

【座長】 横浜市立大学 医学部看護学科老年看護学 教授 叶谷 由佳 先生

  1. 外出支援に関する医療療養病棟職員の意識調査

    竹川病院 森高 芳美

    竹川病院 森高 芳美

    医療療養病棟において終末期患者やその家族が望む外出支援を経験した職員と未経験の職員に意識の違いがあるか、また外出支援をするようになったことで意識がどう変化したかを調査した。調査の結果から、調査の結果から外出支援を行っていくことで未経験群も外出支援をしたいと意識が変化しており、外出支援は患者にとって良いというだけでなく職員にとっても自信がつくなど成長に繋がることが示唆された。

  2. 看護師の経験年数・キャリアと
    転倒転落予防に対する観察・判断の違い

    西伊豆健育会病院 相馬 葉子

    西伊豆健育会病院 相馬 葉子

    看護師は転倒・転落予防に対しどのような観察や判断をしているか、経験年数・キャリアにより違いがあるかを調査した。アンケートを行ったところ、経験年数で転倒転落予防評価の観察・判断の相違があった。また、医療安全研修会に参加した経験のある看護師は「転倒・転落予防は環境とチーム全体で関わることが重要だ」と理解し、観察・判断を行っていた。加えてリスクマネージャーの役割を担うことが、観察・判断力を高めることに効果があるとわかった。

  3. 患者の表皮剥離の要因
    ーADLとの関連についてー

    熱川温泉病院 石田 みな子

    熱川温泉病院 石田 みな子

    表皮剥離を起こす患者のADLを調査し危険予測と予防することを研究の目的とした。表皮剥離ありの患者は有意に食事・清拭・更衣・トイレ動作・排尿コントロール・排便コントロール・移乗ベッド車椅子・移乗トイレ・移動でFIMが低かった。リスク要因では乾燥・ティッシュペーパー様の皮膚・ぶつかりやすい・医療用のテープに有意差が見られた。FIMの点数が低く、乾燥やティッシュペーパー様の皮膚をしている患者には入院時から看護計画を立案し、個別的なケアの介入をする必要があることがわかった。

  4. 療養病床に勤務する看護補助者の
    ターミナルケア態度に影響する要因

    石巻健育会病院 西條 さおり

    石巻健育会病院 西條 さおり

    療養病床に勤務する看護補助者のターミナルケア態度に影響する要因を明らかにすることを目的とした。A病院関連5病院の療養病床に勤務する看護補助者179名及び看護部長5名に自記入無記名アンケートを行い調査したところ、療養病床に勤務する看護補助者のターミナルケア態度に影響する要因は、資格の有無、経験年数、勤続年数、教育の有無、自己学習の有無、関心の有無、ケアへの関わりであることが示唆された。

  5. 転倒転落カンファレンスが看護師の意識と行動に及ぼす変化

    いわき湯本病院 渡邊 静

    いわき湯本病院 渡邊 静

    「転倒リスクマネジメント力」6カテゴリ33サブカテゴリを用いてカンファレンスを行い、計画の修正、評価を行う事で看護師の意識が向上し、予見予測した行動が取れるようになるかを明らかにした。 「転倒リスクマネジメント力」を用いたカンファレンスの実施によって、1)介入前後のアンケートで4カテゴリにおいて有意に改善し看護師の意識向上に繋がった 2) 介入実施前後の監査で全カテゴリで有意に改善し行動の変容に繋がった、という2点の結果になった。また、転倒転落カンファレンスの実施は、看護師の意識と行動に変化を及ぼした。

  6. FIM「トイレ動作」確立に着目した
    トイレ動作介入プログラム指標の検証

    ねりま健育会病院 岡田 美久

    ねりま健育会病院 岡田 美久

    トイレ動作介入プログラム(以下プログラム)を入職時研修に導入し、妥当性を再検証する事でより高い信頼性が得られると考えた。プログラム導入前と導入後のFIMを比較すると、入院時FIMトイレ動作2~4点から退院時5点以上に改善した割合が有意に増加し、プログラムの信頼性が高まった。プログラムを入職時研修に導入した事がスタッフのスキルアップと意識向上に繋がったことが示唆された。

  7. 退院後訪問の経験が病棟看護師の退院支援の視点に及ぼす影響

    花川病院 濱野 幸枝

    花川病院 濱野 幸枝

    退院後訪問を経験した看護師と未経験の看護師の退院支援に対する視点の相違と今後の課題を明らかにした。A病院回復期リハ病棟に勤務する看護師・准看護師42名アンケートによる意識調査を行ったところ、病棟看護師退院後訪問を経験した看護師は、患者の在宅生活を具体的にイメージできていることがわかった。また加えて、訪問看護師との連携の重要性を認識し必要な情報提供ができていることがわかった。