最新レポート

「介護の部」の発表後、座長の亀山 幸吉先生から、以下のような講評をいただきました。

貴重なご発表、またお時間のない中、たくさんのご質問をいただきありがとうございました。

「かもめの家」のご発表は看取りがテーマでしたが、自己実現を望まれる方の思いを施設で共有して、実現するという意味で、「伴走型介護」の事例だと感じました。

「ライフケアガーデン湘南」のご発表は、褥瘡についてのテーマでしたが、科学的な介護で褥瘡についても対応されていました。身体介護重視型から心身の状態に応じた介護を重視する形に変わってきているわけですが、それにふさわしいご発表だと感じました。

「ライフケアガーデン熱川」のご発表は、アルコール依存という大変困難なテーマで、専門性が問われる内容だったと感じました。そういう点で、家族との関係性を接近させていくような方向で問題解決をしていかれたことは、評価に値すると思います。

「ひまわり訪問看護ステーション」は、頚椎損傷という中途障害で、その受容の各段階においてケアの専門性が問われてきます。リハビリの大家 上田 敏先生の「体験としての障害」について考えていかれると望ましいのではないかと感じました。

「介護老人保健施設しおさい」のご発表では、喉頭全摘という大変な状態のご利用者の症例でした。そのような場合、関わる側の方でもご利用者の痛みを共有することが難しいことがあると思いました。しかし、しおさいのご発表では、介護の原点である「痛みの共有」ができていると感じました。

「介護老人保健施設しおん」のご発表では、身体的アプローチよりも心理的なアプローチがテーマとなっており、国が求めている介護福祉士の専門性である心身に応じた対応というところにしっかりと視点を合わせてケアの質をお考えになっていたと感じました。

「介護老人保健施設ひなた」のご発表では、「死にたい」という訴えは「生きたい」ことの裏返しだという風に考えて、どう生きたらいいのかを支援し、取り組まれていたことは評価できると感じました。

「ケアセンターけやき」でのご発表では、ロジャースの原則の受容や共感というところが、改めて問われていると感じました。

「介護老人保健施設ライフサポートねりま」のご発表では、傾聴についてのお話がありましたが、傾聴がコミュニケーションの基本であるということを改めて考えさせられました。

「介護老人保健施設オアシス21」のご発表では、単なる医学的リハビリテーションを超えて、生活リハという視点をご提示いただきましたので、様々なリハビリを行う中でご本人様の自立支援を多面的に専門的に考えて取り組むことが大切だと感じました。

以上でございます。