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要旨
  • 日本の大きな問題のひとつに、「平均寿命と健康寿命の差が10年」ということがある。この差が生まれる要因のひとつに、治る見込みのない患者さんに行ってしまう「無意味な延命治療」があると言われている。
  • 日本人は、死というものを迎える準備ができていないため、ご家族に何かあった時に動揺する。動揺した時には、医師に「何があっても助けてほしい」と願う例が多い。
  • その時、医師が「治療を行っても、患者さんご本人が苦しむだけで、ご家族の後悔にもつながる」と伝え、そして患者さんのご家族に納得していただけるか。それは、日頃からの主治医と患者さんの信頼関係が作れているかどうかにかかっている。
  • 現在、日本呼吸器学会で改訂作業が進んでいる成人肺炎診療ガイドラインでは、がんの終末期や老衰のために肺炎を起こした場合は、あえて積極的に治療は行わないという選択肢も示している。このように、学会でも老衰の患者さんの肺炎治療は積極的に行わないということをガイドラインで示す時代になってきた。健育会グループの医師には、率先して患者さんのQOLを下げる無意味な延命治療は行わないということに対してリーダシップをとってほしいと願っている。
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