Vol.216 パンデミックでも安定維持する健育会

令和元年度の決算は、V字回復を果たし、黒字になりました。健育会グループでは、2017年に大規模の病院を2つ開院し、その負担により苦しい2年間でした。ようやくグループの経営状況に一息つくことができます。これも職員の皆さんの頑張りの成果。COVID-19の影響で下方修正することになりましたが、今年度も右肩上がりで推移する計画です。このV字回復に関しては、特に院長やマネージングディレクター、各部長クラスなどの幹部職員の危機意識が奏功しました。本来は昨年度も赤字になる見込みでしたが、皆さんの努力で予定よりも早く黒字化することができました。予算に対する意識の高さは、健育会が誇れることの一つだと思っています。

健育会には、リハビリの病棟や施設の割合が多く、その患者さんや利用者さんをどれだけ多く集めるかが予算達成の鍵です。急性期の患者さんを多く看ているグループ外の病院に対して、職員が自信を持って健育会のリハビリの強みを広報していることも、予算達成の大きな要因になっています。職員が自分の職場に自信をもっていることは、健育会のもう一つの誇りです。これまでにグループ外の大病院と築いてきたパイプをより太くしていくことが、今後の予算達成につながります。今年度以後も今の良い流れを維持して、より盤石な経営体制を確立するために、私も皆さんと一緒に頑張ります。

今年度の予算については、本来であれば大幅な増収増益を見込んでいました。しかし前述の通りCOVID-19の緊急事態宣言に伴う外出自粛で、外来や入院患者、リハビリ通所者の大幅な減少が大打撃になり、残念ながら4~7月の予算は下方修正することになりました。とはいえ、外来診療がメインの1病院以外は、前年実績はクリアしており、今年度も安定した経営体制を維持できる計画です。

私は最近、「医魂商才」という言葉を座右の銘にしています。これは、“日本資本主義の父”と言われており、令和6年に発行される新1万円札の顔になる渋沢栄一が残した「士魂商才」という言葉を、アレンジしたものです。士魂商才は、商売上手ながら武士としての気構えを持っていることを表しています。その武士のところを、医療人に変えた言葉が医魂商才です。これは私個人の指針というだけでなく、健育会全体としても意識してほしいと思っています。医療職は目の前の患者を救うことに専念し、事務職はそれを全力でサポートする。健育会にとって、医療職と事務職はどちらも大切な両輪。それは、今年健育会が掲げる「ワンチームでビジョン達成を!」でも示していることです。COVID-19の影響はまだ続くと思いますが、健育会がワンチームになり、医魂商才で乗り越えてほしいと思っています。

最後に今年の新入職員にメッセージがあります。例年であれば、4月に入社式を行い皆さんとお会いするはずでしたが、昨今の状況を考慮して今年は見送りました。しかし、この状況が落ち着いた頃に、必ず皆さんと直接お話しする機会を設けます。入職早々に大変な状況になってしまいましたが、まずは上司や先輩の話をよく聞いて、健育会の存在意義を理解しつつ、1日も早く仕事に慣れるように心掛けてください。健育会の次世代を担う皆さんの今後の活躍に期待しています。

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