Vol.296 2024年度の新入職員中途研修を実施しました

さて今日は、健育会グループのMVVと病院理念を表したこのピラミッドを紹介します。皆さんの1日1日の働きぶりが健育会グループのミッション、 使命を作り上げていくということを理解して帰ってください。
私が30年前に健育会グループの理事長に就任した時、大学病院の臨床医を辞めて健育会の理事長に就任することの意味を考えました。そして、健育会グループを世の中の役に立つ医療法人にすることだと考えたのです。その後勉強していく中で、企業には「社会的責任」と「経済的責任」があることをハーバードのビジネススクールで習います。 社会的責任は社会に対して価値を生むこと、経済的責任は利益を出して税金を払うことであり、この2つが企業の目的、そして存在意義です。

そのためのミッション、使命として掲げたのが「光り輝く民間病院」です。当時は、民間病院は医療のレベルが低いから利益を出すことができるが、公的病院は医療のレベルが高いから赤字になるのは当然という常識がありました。しかし日本に税収による豊かな財源があった時はそれで良かったのですが、そうもいかなくなっていました。
当時、JRの前進である国鉄は大きな赤字を抱えていたことから、民間に払い下げられて現在のJRになり、数年で黒字化しました。そして郵政民営化も行われます。規制改革委員会が国主導の事業はもう成り立たない、どんどん民営化をすすめるべきだと提言をしました。そこで私は、そこに医療も入れてほしいと言いました。
いくらレベルの高い医療を提供しても、赤字続きでは自治体が持ちません。実際に北海道の夕張市は、夕張市民病院の出した大きな赤字によって2006年に破綻しました。自治体や国が経営破綻するということは、すべての公共サービスが止まるということです。ゴミの集配、水道、電気が止まって国民の生活が失われるのです。したがって医療は聖域ではなく、「レベルの高い医療を提供しながら利益を出すこと」も可能であると私は考えるようになり、健育会グループのミッションに「光り輝く民間病院」を掲げたのです。