健育会グループでは、医療に対する確固たる哲学を持ち、その実現をめざしている。
私たちの目指す「質の高い医療」とは、患者さん一人ひとりの尊厳を尊重し、(1)信頼性の高い医療技術に加えて、(2)安心して委ねられる介護、(3)生きる喜びと明日への力を満たす生活活性化、(4)心を豊かにするホスピタリティという4つの機能を、一人ひとりの患者さんのニーズに合わせて適切に提供することと定義している。
人間はそれぞれ生まれながらにして独自の個性、感性、能力をもっており、個人としてかけがえのない存在であり、そのかけがえのない存在そのものが「尊厳」である。私たちは、患者さん・利用者さん一人ひとりの尊厳は平等であることを最も大切にしており、患者さん・利用者さんがどのような状態にあろうと、その人らしくいられるように心がけている。
健育会グループでは、医療・介護を独立した人格を持つ個人に対するサービスだと考えている。
サービス業としての医療は、社会保障としての弱者救済的な考え方だけでなく、病院と患者さんが対等な立場に立って、相互の信頼関係に基づいて提供される。サービス業には、互いに権利と義務が存在するので、私たちは「お約束とお願い 」として制定している。
医療資源とは、財源・人材・設備のことを意味する。我が国の医療資源は財源だけでなく人材も乏しく、限られている。この限られた医療資源を有効に活用して質の高い医療を提供するためには、他領域で活躍した人や株式会社が持つ金融、資本、経営マネジメントのノウハウを医療のフィールドで生かせるような体制をつくることが望ましい。
急性期を脱して病状が安定したが、未だ入院医療を必要とする症例に対して長期間に渡る治療やリハビリテーションの提供を行う病院のこと。
健育会では、慢性期の患者さんに対し、信頼性の高い医療技術、生活機能活性化をあきらめないリハビリテーション、患者さんの心に寄り添う手厚い看護・介護を提供することで、患者さんの心を豊かにすることのできる慢性期病院を目指している。
豊かな自然に恵まれたリゾート環境の中、良質な温泉を活用したアメニティあふれる施設で、リハビリテーションを中心とした医療を提供している病院のこと。健育会グループでは、熱川温泉病院のことをそう称している。 もともと日本には転地療養といういう考え方があったがこれを現代風にアレンジした考え方である。熱川温泉病院の自然環境は、慢性期の疾患に効果があることが実証されている。
2004年、健育会グループの代表 竹川節男が経済同友会医療改革委員会の委員長として「医療先進国ニッポンを目指して」という提言を取りまとめた。
ここでは、『行政頼み・診療報酬頼みの先見性のない経営では、政策に振り回されたその場限りの経営に陥る。病院経営者は、自ら、日本の医療・福祉制度はどうあるべきかを考え、戦略を練って行動する能力が必要である。』と提言。また、医師、看護師の人材不足をこのまま放置すれば、日本の医療崩壊はさらに進むと考え、海外からの看護師・介護士の受け入れについて、いち早く提唱した。
第三者機関である日本医療機能評価機構が審査員を派遣し、医療機関に適切な医療サービスを提供するための設備や管理体制が整っているかを評定する制度。認定期間は5年。「よい病院である証明」の一基準であり、健育会グループでは、全ての病院が認定されている。
私たちが目指す質の高い医療を実現するために、各職種のプロフェッショナルが患者さんの全ての情報を共有し、各々のできることを明確に理解して、完全に一体となって機能することが必要であり、この職種横断で一体となった体制をチーム医療という。また、チーム医療には、患者さん・ご家族も大切な一員となる。