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リハビリテーション部門の演題が全て発表された後には、座長の酒向先生から以下のような講評をいただきました。

第12回 看護・リハビリテーション研究会

「発表されたリハ部門の皆さんは今日の発表を、どの学会に発表されることを念頭に考えておられているでしょうか。私は本日、日本リハビリテーション学会や脳卒中学会、PT・OT・ST学会を念頭に、皆さんの研究発表を聞いていました。

いわき湯本病院
入院患者さんのブリッジ力は非常に大事だと思います。それでADLがよくなるというのは当然だと思いますが、負荷量の調節も含めて、もっと科学的な解明を進めていくと、研究としてまとまってくると思いますので、ぜひ研究を進めてください。
西伊豆健育会病院
大腿骨近位部骨折してから手術をしてリハビリを行うまでがこのように早いのは、すごいことだと思います。リハ介入初日にしっかりと評価し、退院時のゴール、3ヶ月・6ヶ月・1年後のゴールを見据えられるようになると良いと感じました。急性期病院で大腿骨近位部骨折の患者さんが、歩いて直接自宅退院する時代がくると、回復期リハビリテーション病院では現在大腿骨近位部骨折の患者さんが30%くらいいらっしゃるので、患者さんが減ることに繋がるのですが、そうすると回復期もより強くなってくると思いますので、この研究をどんどん進めて情報を発信していただきたいと考えています。
熱川温泉病院
非特異的腰痛についての非常に面白いご発表でした。このような発表がニューロサイエンスと合わせて出ていくと良いと思います。そして実際に介入することによって良くなるというデータをどんどん出して欲しいと思います。
ねりま健育会病院
今行われているリハビリ治療でない、新しいリハビリ治療に挑戦していくという体制が非常にいいと思います。雑誌投稿などもぜひ進めてもらえればと思います。
石巻健育会病院
脳卒中といっても、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞とあって、脳のどこが、どのくらいのボリュームでやられているかによって全くアプローチが違います。どのような患者さんでスタディするかをしっかり絞って研究すると傾向がわかると思います。そして傾向がわかった上でアプローチを考えたり、軽傷・中等症、重症の方でどう変わってくるかなど踏み込んでいただけると興味深い研究になると思いますので、期待しています。
石川島記念病院
フレイルの患者さんの在院日数が介護保険の取得と関連があるというのも大事なポイントだと思います。また、急性期病院にフレイルの方が入院した時、急性期病院では病気の治療になってしまい、フレイルに対して目が向かずに治療が難しいというところがあると思います。石川島記念病院では今回の研究でフレイルに着目したわけですから、急性期病院のフレイルへの取り組みを形にしていただけると、すごく良い研究になると思います。
花川病院
BWSTTとBWSOTはどちらも素晴らしい機械です。存分に使って成果を出していただきたいと思います。骨折の患者さんに痛いリハビリは絶対にうまくいきません。痛くないリハビリで、かかとを接地し、股関節加重をしっかりして、正しいリハビリをすれば、皆さんよくなるはずです。引き続き研究を進めてBWSTTとBWSOTをどのように使えば有効かを極めてほしいと思います。
竹川病院
回復期リハビリテーション病棟にとって、自宅退院するというのが最大のテーマです。最短で帰っていただくためには、ただ退院させるのではなくて、家族調整、環境調整を行って行くことがポイントです。多くの寝たきりの重症の患者さんがお家に帰っていただけるようになるようになるために、さらにこういった研究を進めていただきたいと感じました。

去年に続いて、ますますリハビリ部門の皆さんの研究内容、そして発表する力が伸びてきていると感じています。研究の成果をどの学会で勝負するのか、どの雑誌で論文を書くかということを念頭に、さらに日々研究活動を進めていただきたいと思います。

第12回 看護・リハビリテーション研究会