実習初日のオリエンテーションでは、私から学生のみなさんに次のようなお話しをしました。
湘南慶育病院は、藤沢市から「地域に病院がほしい」という長年にわたる思いを受け、3年前に慶應義塾大学・藤沢市・健育会の3者コラボレーションにより設立された病院です。病院内には研究施設もあり、臨床研究についても大学との連携を進めています。このような中で、このたびみなさんの実習を受け入れることができるのは、大変名誉なことでありがたく思っています。
今日と明日の実習を通じて、みなさんにお伝えしたいことがあります。
大学病院や総合病院を始めとする「急性期」の医療施設の役割は、命を救うこと――1分1秒でも命を長くつなぐことです。一方、湘南慶育病院は、一般床が30床ありますが残りの200床は高齢者のリハビリテーションやケアを行う「慢性期」医療です。
慢性期医療の役割は、患者さんがその人らしく、自分の尊厳を保ちながら生活できる医療やケアをすること。いわゆる「ナーシングケア」です。
急性期医療のキュア(治療)のチームのリーダーは医師で、看護師は医師の指示の元で動きます。一方、慢性期医療においてのチームリーダーは「全員」です。看護師の役割が非常に大きくなる。医師と相談しながら、看護師自らが治療計画を立案していくことも求められます。
その点を念頭に、本実習では、現場を実際に見て肌で感じていただきたい。2日間、頑張ってください。
今回の実習を通じて、今後も慶應義塾大学との連携を密にし、関係をさらに深めていきたいと思います。