経済同友会は終戦直後の1946年、荒廃した日本を復興するために若手実業家たちが結集して設立した経済団体です。参加資格は経済団体唯一の経営者個人であり、企業の利益ではなく日本社会全体のことについて考え、新しい時代に向けて革新的で柔軟性のある政策提言を行うという特色がありました。
私自身も委員会の活動に参加する中で、日本の医療改革ビジョンとして、医療経済規制の撤廃・緩和(混合診療禁止や参入規制の廃止、株式会社の参入など)、少子高齢化時代に向けた社会保障制度、介護保険制度の抜本的改革などの未来に向けた政策提言を行なってきました。ところが次第に同友会ならではの先進性は失われていき、保守的な傾向が強まっていったため、同友会を通じて自らの考えやビジョンを発信していくことが難しいと感じるようになり、退会を決断しました。
以来、長きにわたり遠ざかっていましたが、昨年同友会の現・代表幹事であるサントリーホールディングス代表取締役社長の新浪剛史氏より、同友会へ復帰してほしいと打診があり、ご縁があるならと再び参加しました。シンポジウムなどでも会員の若年化や日本の危機を認識した発言が多く聞かれ、以前の同友会に戻ってきていると感じています。
そしてこの度、新浪氏より規制改革委員会委員長の話があったため、もう一度同友会を通じて自らが考える医療改革に向けた発信を行なっていきたいと考えています。
私の医療改革ビジョンは理事長に就任した30年前から変わっていません。増加の一途を辿る医療介護費を抑制しつつ、質の高い医療サービスの提供を継続していくため、医療経済規制緩和や病院の株式会社化などの政策を思いきって積極的に提言していきたいと思います。
そして健育会グループの職員全員と共に経営をしていく、それこそがour team経営につながると信じています。