今年は「健育会グループの伝統に基づいた文化」を築くことにチャレンジします。職員全員が、人間の尊厳は平等である、人の命は何よりも尊いという医療人の哲学に基づいた行動をすることを期待します。
日本人には、和を持って行動する特性があります。自分が失敗して人に迷惑をかけてはいけない、という気持ちが上手く転じると、チームとして
素晴らしい力を発揮します。そういうことがスポーツに限らず様々な場面でも結果として表れます。チームで取り組むことで個々の能力を伸ばし、Our Teamの向上に繋がります。
元旦に配信した年頭所感に、熱川温泉病院から登る朝日の写真を掲載しました。これには意味があります。健育会グループ72年の歴史の中で、この熱川温泉病院は3つの分岐点で重要な役割を担ってきました。
先代の理事長時代、今からちょうど60年前に竹川病院で治療して病気は治ったにもかかわらず、その患者さん全員、人間としての尊厳を取り戻すことができないということに疑問を生じ、リハビリテーションの重要性を感じたのです。そこで、その当時まだ日本では数少なかったリハビリテーションを提供する専門病院として熱川温泉病院を設立しました。それがまず一つです。
二つ目は、この地域で長年医療を続け地域から評価を得たことで、西伊豆町から健育会グループに救急病院を作ってほしいという依頼があり、西伊豆病院を開設することになりました。西伊豆病院は、開設以来、断らない救急を理念に掲げこれまで継続しています。健育会の断らない救急のきっかけとなったのが、熱川温泉病院です。
そして三つ目は、熱川温泉病院が、職員一丸となり経費削減をおこない、ベースアップの原資を生み出した典型的な病院であるということです。昨年、日本では景気が上向き、様々な業界でベースアップが実施されました。しかし、医療介護は診療報酬や介護報酬が上がらなければその原資がありません。健育会グループではOur Team経営を掲げて、ベースアップの原資を生みだすため、全職員で原価や経費の削減に取り組みました。その結果、熱川温泉病院は、入院患者が180床いなければ黒字にならないところ、165床でも黒字が可能となりました。皆さんが頑張って無駄を省き経費を削減したというOur team経営の見本となりました。これが三つ目の分岐点です。
冒頭でも話しましたが、今年は伝統ある健育会の文化を作ることにチャレンジします。一言で言うと、職員全員が、人間の尊厳は平等である、人の命は何よりも尊いという医療人の哲学に基づいた行動をすること。それを日々心に留めていると自然と身が引き締まり、顔も引き締まります。この医療人の行動哲学を心がけていただき、みんなで健育会の文化を作り上げていきたいと思います。
今年も一年、一緒に頑張っていきましょう。よろしくお願いします。