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発表終了後、リハビリテーション部門の座長を務めていただいた酒向先生より、以下のような講評をいただきました。
この発表会は13回目ということで、毎年進化していることを感じています。これからのリハビリテーションを考えたときに大切なポイントというのは、ESとクオリティになると考えています。ESについては、新しい職員がどんどん入ってきて活気がある病院になっていくために、どうしなければならないかということです。そのために必要なのは教育であり、臨床力であり、そしてチーム力、プラス福利厚生になっていると思います。リハのセラピストの皆さんが毎日一生懸命リハの単位を取ってくれています。1日に18.5単位ですが、本当にそれでいいのかということを、この働き方改革の時代に入ってきて考えるべきではなのでしょうか。つまり1日16単位、15単位であってもそこの病院が魅力的でリハのパワーがどんどん上がっていけば、そこは素晴らしい病院ではないのかというのを考えるのもこれからの時代ではないかと考えています。
そしてクオリティということを考えますと自費診療リハと言うのが出てきて非常に勢いを増しています。つまり、医療保険介護保険でできるリハではない自腹のリハです。それがどんどん伸びていると言うことは、やはり税金を使ったリハが強くならないと自費診療リハと競っていけないと言うことが起こりうると思います。また先ほどありましたように、この4月から外来リハから通所リハがメインになって行きます。このことから臨床の教育と臨床力のクオリティを上げていく事が必要であり、そのためにも各病院がリハビリテーション学会の発表を積極的に準備すると良いと思います。そういった意味で、しっかりした一流のリハビリテーション病院は一年間でどのくらいリハビリテーション学会で発表をしているかと言うと、PT3題、OT2題、ST1題、ナース1題、医局3題の10演題です。このくらいは発表していかなければいけないのではないかと思います。そう言うことを考えながら各演題を聞かせていただきました。年々健育会グループのリハ部門のクオリティは進化してきていますが、まだ導入のところがあります。ぜひそれを使ってどういう結果が出た、そしてそれがどのように波及できるかということを学会の発表をしていただいて、その後は数を増やしていくことによってさらに大きなパワーに繋がっていくと思います。
- ねりま健育会病院
- 離床センサーを外せるかどうかというのは、永遠のテーマだと思います。回復期では、非常にマンパワーがある状態でしっかり管理できます。しかし患者さんは、回復期の後に10年、20年とマンパワーのない状態で過ごしていかなければなりません。そういう場合に離床センサーは使えませんので、ではどう管理していけばいいのかというのが、今日の切り口の一つになったのではないかと思います。回復期において、離床センサーがない状態でどうすると転倒を防ぐことができるかということを検討していくことが期待されると思います。
- 熱川温泉病院
- こちらは第二報でした。このように研究を続けていくことは大事だと思います。その時に、非特異的腰痛といっても、痛いというのが口癖の腰痛と、本当に痛い腰痛などがあると思います。いろいろな腰痛がある中で、この方法によって治りやすい腰痛がどのような腰痛なのかを、実際に市民のみなさんに役立つ形で発信していただきたいと思います。