Vol.229 既卒中途新入社員に向けた研修(病院・介護施設)を開催しました

みなさんが入職されて約半年。健育会グループの文化などを少し肌で感じてこられた時期だと思います。今日の研修は、健育会グループがどのような思いを持ってどこに向かっているかを理解していただくものです。

最初に健育会グループについて、少しご説明します。当グループは今年で68周年を迎える医療法人です。母体となるのは、先代理事長が昭和27年に設立した「竹川病院」と「熱川温泉病院」(昭和40年)の2つです。私は28年前から2代目として理事長を務めており、現在は9病院を始め、2つのクリニックと11の介護施設を運営しています。

8年前の60周年の際には、当時の天皇皇后両陛下が「ケアポート板橋」を公式訪問されました。民間の施設にいらっしゃることは非常にまれなケースです。同施設の取り組みがすばらしかったことに加え、海外からの研修訓練生などEPA(経済連携協定)に基づいた受入れが評価されたと結果だと考えています。中でもフィリピンから来ていた訓練生の存在は、天皇皇后両陛下のお心に大きく残られたようで、その翌年には当時のフィリピン・アキノ大統領が国賓としてわが国を訪問された時、天皇陛下は「両国は介護を通じて非常に密な関係にある」と、コメントされました。これは非常に意義のあることだったと感じています。

ここからが今回の研修の本題です。みなさんの日々の業務が、健育会グループの使命(Mission)に結びつく、すなわち使命を達成する原動力になっているということを理解いただきたいと思います。

冒頭にお伝えしたように、病院と介護施設で使命は異なります。使命とは、何のために当施設はあるのかを考えた上で果たすべきこと、すなわち「健育会グループの存在意義」です。

病院は「光り輝く民間病院グループ」であることを掲げています。かけがけのないグループでなければ意味がありません。医療機関の民営化までには長い歴史があります。日本では人命に関わる事業に対して、利益を生み出すことに肯定的でない風潮がありました。かつては、病院は赤字でも仕方がない、と。しかし、財政が破綻してしまっては国民の生活は守れません。民間の力を活かす「民活」こそが光り輝く未来につながる。民間だからこそ経営を成立させながらすばらしい医療を提供できる—健育会グループはその旗振り役となれる病院であるべきだと考えています。

民間病院ならではの対応は2011年の東日本大震災における対応でも浮き彫りになりました。石巻市の市立病院が震災後3日で復旧を断念した一方、当グループの「石巻港湾病院(現:石巻健育会病院)は震災後約半年で完全復旧を果たしました。本部を通じて支援物資を行い、グループ内の全職種スタッフが応援に駆けつけることができたからです。