バリュー(期待されていること=クライアントに提供すべき価値)
患者さまに対し、病院側は質の高い医療を提供するのは当然です。ここでお話する「質の高い医療サービス」は高機能医療ではありません。患者さまは一人ひとりの個性が異なります。ひとつのマニュアルをすべての事例に当てはめるのではなく、病気や性別など個々の人間性を理解した上で、求められている価値を理解すること。患者さまの求めることは、体調などによって日々変わるかもしれませんが、それらを汲み取り応えることが重要です。
一方、介護施設においては、必ずしも全ての方が1日も長く生きたいと望んでいるわけではありません。「今日生きることができてよかった、今日も楽しかった」。そう思っていただけることがもっとも大切です。ご家族からも「自宅ではなかった元気な姿を見ることができた」といったお言葉をいただいています。安心して預けられる場であることに加え、「感動」を提供できる施設であってください。
残念ながら現状、日本の医療で命は平等に扱われているとは言えません。しかし「尊厳」は平等です。全クライアントの尊厳を何よりも大切にしながら、日々従事することを心がけてください。
ここまでみなさんにはお願いや期待を中心にお伝えしてきましたが、私からも以下のことをみなさんにお約束します。
まず、みなさんが仕事にやりがいを感じ、夢を育てながら使命感を持ち続けられる環境の整備。健育会グループでは、正しい評価制度と学びの場を用意しています。日々の働きがしっかり認められる環境と、研修や研究会などの勉強。この適正な評価と学びが、使命感を育てます。日々業務で追われている中で勉強するのは大変でしょうが、やりがいや使命感を持って働くことができれば、心にゆとりができ夢が持てるはずです。
そのために私は、「健育会グループがどのような観点を持って、どこに進もうとしているのか」を常にみなさんに明示していきます。
またすべての責任は私が負います。「もっとこうすればいいのではないか、効率よくできるのではないか」。常に疑問を持って考えながら業務についていただきたい。前例がないからと諦めるのではなく、改善するアイデアがあれば、上司に相談の上トライしてください。万が一、それで何か不都合が起きても、理事長である私がすべての責任を取ります。安心して積極的にチャレンジしていただきたいと思います。