3月から使命感を持ちながらも、課題は多数ありました。特に石川島記念病院は回復期リハビリテーション病院。感染症対応とはほど遠く、業務も全く異なる病院でした。当直職員もすべて外部からの派遣で運営していましたので、まずは課題解決から取り組みました。
そんな中でも新型コロナウイルス感染症の猛威は衰えず、8月には第5波が到来。入院できず自宅療養を余儀なくされている方があふれていると、連日報道されていました。訪問診療医が身を挺して対応している姿を目の当たりにして、改めて、我々も新型コロナウイルス感染症との闘いに参戦すべきと考えたのです。
一方、「西伊豆健育会病院」は二次救急指定病院、常に救急を断らないことが病院の使命です。コロナ患者だからといって、救急を受け入れない理由はありません。今までと同じことをするだけです。とはいえ感染力が非常に強いCOVID-19。国の規定に従い、職員と患者さんの安全を考慮して、専用病床新設に至りました。
西伊豆健育会病院のコロナ専用病床
西伊豆健育会病院での受入初日の朝礼
「石川島記念病院」をコロナ患者専門病院に変えることを職員に話したのは、つい1ヶ月前です。何人賛同してくれるか…そんな私の心配は杞憂でした。職員は顔を上げ、前のめりで耳を傾けてくれました。その姿に“目の前の命を救う”という医療人としての使命感−−リハビリでもコロナでも変わらない−−健育会職員の使命感の高さを再確認しました。
課題であった当直医に関しても、好意的な申し出によって解決。東京慈恵会医科大学・外科の大木隆生統括教授が外科チームとして応援してくれ、当初から当直を担当くださっていた聖路加病院のチームも残ってくれることになったのです。また、不安もある中、送り出してくれた職員の家族の方の理解にも感謝しています。
このように健育会グループの職員はもちろん、外部スタッフ、ご家族、すべてが「ONE TEAM」になった結果、我々は新型コロナウイルス感染症との闘いに参戦することができたのです。
現在、西伊豆健育会病院、石川島記念病院ともに中等症患者さんを対象にしていますが、人工呼吸器やネーザルハイフローを導入し、重症化した方の対応にも備えています。
石川島記念病院のコロナ専用病床