Vol.255 管理職に自らの経験を語りました


現在の医療業界でも同じことが言えるでしょう。レベルの高い人が揃っていれば、いい医療やサービスはできます。しかしそのような状況が整っていれば管理職は必要ありません。マンパワーが足りないからこそ、どう仕組みを作り、少ない人材を有効的に機能させてレベルの高いアウトプットを出すか。それこそが管理の醍醐味です。大変な中にもおもしろさを感じられる方が管理職に向いていると思います。困難を“自分たちに与えられた試練”だと前向きに捉えることができるかどうかです。


3月30日の朝日新聞で、東海大学バスケットボール部監督は「何か問題が起きるとチャンスだ!と私は嬉しくなる。これが成長のきっかけになるから」と話していました。大変なことをネガティブと捉えるかポジティブと捉えるか。自分の立場に置き換えた際にも、ポジティブに考えられるのであれば、管理職の資質があるかもしれません。みなさんには立派な管理職として切磋琢磨し、ゆくゆくはディレクターや理事となってほしいと願っていますが、強要しようとは考えていません。決めるのはみなさんです。自分が管理職に向いているか、日々の業務を通じて考えてください。


最後に管理職のみなさんにひとつ宿題を与えます。これまでのルールに加え「部下に親身に対応させること」です。年頭所感でもお伝えしましたが、本年のテーマは「豊かな心でチャレンジ」。そのためには、愛情を持ち、親身になって対応することが必須です。さまざまな場面で障害者の方が幸せに生きている姿を見て、わたしは愛情のある対応の素晴らしさを感じました。まずは自分が親身に対応する姿を見せ、部下の心を豊かにしてください。
現在、航空業界は大変な状況ですが、その中でもがんばって働いている職員に会いました。なぜ彼が続けられているか。答えは「好きな仕事ができて、なおかつ上司に評価されている」とのことでした。みなさんも、自身の姿を見せることで部下にも仕事を好きにさせてください。さらに努力を適切に評価することで、部下は光り輝いてくれると思います。その結果、患者さんや利用者に対しても愛情を持った対応ができるでしょう。愛情を持って親身な対応とは「心がある医療、介護」と思ってもらうこと。
正解のないむずかしい業務です。しかし、今わたしがお話したような気持ちをもってみなさんが仕事をし、部下が育てば健育会グループの文化となり、サービス業を超えた医療介護を提供する、本当の“光り輝く医療福祉グループ”になれると思います。