昨年度は、新型コロナウイルスの影響を受けた施設があり、予算達成が叶わなかった施設もありました。減収減益や人件費増加の問題も浮き彫りになっています。厳しい状況でありますが、そうした中でも単純に人件費を増やすのではなく、何を目的に増員を行い、その分の経費をどこで回収していくかが重要になると思います。
また1年後の姿は、抽象的な理想や理念も入ってくるため、実際に達成できたかどうかの評価も難しくなります。できるだけ実現できたかどうかをわかるように、工夫していくことも大切です。
何より私が一番大切だと思っているのは、スタッフ1人1人の心を豊かにすることです。限られた人員の中で、無理無駄のない効率的な運営を実現し、最大の成果を確保する、という目標はどの病院・施設でも欠かすことができないものです。例えば訪問看護の分野でも、日本全体の介護マンパワーが不足する中、限られた人員でいかに最大のパフォーマンスを出すかが課題となります。
しかし実際にこれらを達成するのは、現場で働くスタッフたちです。そして、これらを目指すほど、スタッフに負荷がかかってきます。我々が今年の目標として掲げる「豊かな心でチャレンジ」、「愛情を持って親身な対応」は、スタッフ一人一人の心が豊かでなくては実現しません。ですから、幹部の人たちは効率を追求する部下たちの心を豊かにすることも忘れないようにしてほしいのです。
利益をきちんと出して、予算達成を目指していくことは大切ですが、同時に職員一人一人の部下の心を豊かにするのが上司の役目であるという意識を持って、一年部下と接して欲しいと思います。