Vol.257 2022年度新社会人入職研修が行われました

医療人として働く上で一番大切なことは、「責任感」です。私は医学生時代に小児科の試験で口頭試問を受けた時、教授に「なぜこんな簡単な問題を間違えたのか」と聞かれました。そこでうっかりしていたと答えると、普段温厚な教授に「医者がうっかりしたら患者さんは死んでしまう。2度とやってはいけない」と叱られたのです。今でもその言葉をよく思い出します。医療や介護は、人の命を扱う現場です。みなさんも、些細なミスが人の命を傷つけてしまう仕事に就いたということを忘れずに、責任感を持って働いてほしいと思います。

二番目には大切なことは、「組織の規則に則った行動」です。自分勝手な行動は医療事故を招き、職員の和を乱します。医療や介護の現場は、少ないマンパワーで多くの仕事をこなさなくてはなりません。そのためにはチームワークが大切になります。規則を守って、互いに協力しあえる職場環境作りを心がけてください。そして69年間にわたり4,000人の職員が築き上げてきた健育会の歴史や功績をみなさんにも受け継いでいってほしいのです。


厳しい話ばかりで不安になったかもしれませんが、最初は「自分は何もできない」という謙虚な気持ちで仕事に取り組むことが大切です。慢心は事故のもとだからです。そしていつか患者さんや介護者、ご家族の皆さんに喜ばれるような、社会に貢献できるような仕事をするという意識を持って頑張ってください。


そして、私から皆さんに約束することは3つです。経営理念として「仕事のやりがい」「一人ひとりの人生の夢」「医療・介護に携わるものとしての使命感」を掲げています。適正な評価制度で、頑張った分だけ給与や昇進につながる環境を整えます。また医療現場は非常に忙しいですが、そうした中でも皆さんには人生の夢を持ってほしいと思います。そのためにやりがいを感じることができ、心に余裕を持てるような職場を実現したいと考えます。

そして医療の世界は日進月歩ですから、常に学び続ける必要があります。忙しい中でも発表会・勉強会に参加して、日々勉強を続けることで将来の肥やしになります。とはいえ、やる気がなくては身になりません。原動力は、使命感があるかどうか。今はたとえ使命感がなくても、患者さんやご家族に褒められることで次第に芽生えるものですから、心配せずに日々の仕事に取り組んでください。