Vol.259 「第16回TQM活動発表セミナー」が開催されました

審査結果発表の後、長谷川先生から講評をいただきました。


優秀賞を受賞された4チームの皆さん、おめでとうございます。本日の発表は、働き方から介護の話まで非常に多様なテーマが見られ、健育会の活動や医療・介護に関する関心が高まってきたことを感じました。また若い世代のグループや年数の低い施設も参加したことで、全体の物の見方も変わってきたようです。さらに今回は、介護系の改善活動が強かった印象です。例えば、おむつは急性期病院と介護施設で比重が違ってきますので、審査員の方々も後者に点数をあげた人も多かったかもしれません。
発表を見て、見方を変えることが改善につながることもわかったと思います。栄養課の早出残業に焦点を当てたテーマでは、食札の複雑さに驚きました。このままでは食事の間違いやアレルギー事故が出る恐れがあります。料理内容をシンプルにして情報伝達の間違いを減らす方が、質に訴えることができるでしょう。その結果残業時間が減れば、主たる効果と波及効果が逆になってしまいますが、どちらが訴える力が強いかということもチームで議論してみるとよいでしょう。

またTQMは、多様な職種が集まり、多様な視点から見て風通しを良くするためのものですから、同じ職種だけで行っても意味がありません。褥瘡なら看護系だけでなく、栄養課への声がけも行うことで視点が広がります。また車椅子の使い方について施設関係の部署に声がけすれば情報交流ができ、施設の活性化にもつながります。普段付き合いのない職種には遠慮を感じると思いますが、TQMを利用して風通しをよくする仕組みを作ってみてください。

そして今回、2回目のWEB形式となりましたが、スライドで気づいた注意点がありますので3つお伝えします。1つ目は、問題点をわかりやすく示すこと。そのためにグラフや表をしっかり活用してください。2つ目は、特性要因図について。きちんとしたフィッシュボーンになってないスライドが散見されました。まずは魚の頭となる問題をしっかり設定し、多職種で集まってブレインストーミングを行い、小骨を集めることが大切です。小骨が集まって中骨になり大骨になるわけですから、小骨が足りないと話になりません。最低でも20〜30は集めましょう。3つ目は、根拠の明記について。目標設定を高くするだけではいけません。健育会グループは幸いにも様々な施設があり、互いに比較することができます。例えば「自分の施設ではおむつの使用量が多いのでは?」という疑問を持った時に、比較して分析できます。これは非常にいいことで、皆さんも疑問を持ったらぜひ健育会の事務局に問い合わせてみてください。そうした根拠を図や表を使って明確に示した発表が少なかったです。また検証して結果が出なくても、リチャレンジすることがTQMの醍醐味です。それをストーリーで語ることで審査員は引き込まれると思います。
最後に、皆さんパワーポイントで色々工夫されていましたが、やりすぎも見られました。色は多いと見にくいので3色までに抑えるべきですし、文字もできるだけ少ないほうが見やすくなります。また医療に関わる活動ですからアニメの使用は最小限にしましょう。発表前に身内で発表を行って、修正点を確認することが大切です。

今回発表を行った皆さんは、健育会グループの中で勝ち抜いてきた非常にレベルの高いチームばかりです。優秀賞をとったチームは全国大会に出ても恥ずかしくないレベルだと思います。私からは厳しいお話もしてしまいましたが、今お伝えしたことを少しでも考えてもらえれば、もっと良くなっていくと思いますからこれからも頑張ってください。

長谷川先生からの講評を頂戴し、この活動を継続していくことで健育会グループの医療の質はますます高まっていくだろうということを実感しました。様々なアドバイスをいただきましたのでそれを踏まえつつ、グループで一丸となり、一層邁進していってほしいと思います。