Vol.267 新社会人フォローアップ研修を実施しました

事実、そうした時は予想よりも早く訪れました。2008年にメディアで医療崩壊が叫ばれるようになります。国立病院は国立病院機構へと変わり、経営再編など様々な努力がようやく始まりました。まさに、健育会グループのミッションは社会に必要なものとなったのです。

そして今年から、健育会グループでは民間病院として健全な経営を行っていくというミッションに加え、「愛情を持って親身な対応」という定義を付け加えました。親身な対応で、患者さんの心が豊かになるような医療を提供していくという使命です。

これは、ダウン症候群や自閉症など障害を持つ子供さんが、親の親身な愛情で幸せな人生を送っている事例を見て、愛情を持って親身な対応をすることで、その人の治癒力や生命力を生かせるということを知ったからです。光り輝く民間病院は、人間の尊厳を持ってその人らしく生きてもらうことを尊重していく使命も持っているのです。

続いて、民間病院ならではのチャレンジ精神とスピード感について、健育会グループの各施設で経験した実例を紹介。石巻健育会病院(旧石巻港湾病院)の東日本大震災時における迅速な対応・復旧の事例や、救急搬送を断らない病院として35年間黒字経営を続けてきた西伊豆健育会の実績、湘南慶育病院の大学との共同研究体制、石川島記念病院のコロナ病棟への素早い転換についてなどを新入社員の皆さんに伝えました。

これらのミッションを達成するためには、長期的目標であるヴィジョン(長期的目標)が大切になります。健育会グループが掲げるヴィジョンは、「クライアントの心を豊かにする病院グループになること」。患者さんの心が豊かになる質の高い医療を、チームでバランスよく提供することが目標です。ここでいう質の高い医療とは、押しつけの医療ではなく、目の前の患者さんに必要な医療を提供すること。高度な医療を行う高機能病院とは全く次元が異なります。

患者さんは豊かな人生を送るために病気を治したいと思っています。ですから私たちが目指すべきは、患者さん一人一人が求めているものを見極め、豊かな人生を送るために適切な医療行為を行わなければなりません。