Vol.275 「第17回TQm活動発表セミナー」が開催されました

審査結果発の後、長谷川先生から下記のような講評をいただきました。

トータルクオリティマネージメントでは、特にトータルの部分が重要になります。最初に竹川先生がおっしゃったように、多職種で関わるということ。3職種入ってもらえれば“多”になります。発表とは別に看護やセラピストだけのチームがあり、もったいなかったです。声がけしにくければマネージングディレクターを介してチームづくりを行うなど配慮して行ってください。なぜ“多”が大切かというと、いろんな視点が入るからです。無形効果、波及効果などは別の視点がないと出にくいです。

例年と比較して、災害対策や労務の業務工率化などの新しいテーマも出てきました。一人ぐらしの高齢者も新しい視点でした。業務効率化の発表では、ケアの時間が本当に増えたのか?という部分まで証明できていれば順位が変わったかもしれません。医療の効率を上げる場合は、患者の満足度を確認するまでが大切です。科学的かどうかは「想い」を測定結果に反映できるかどうかが、とても重要です。
TQMの古典的な考え方からすると、課題として大丈夫かなという演題も正直ありました。高齢者の状況把握は本来行政がやるべきことで、民間病院の一部門が取り組むというのは疑問が呈されます。課題の設定は本部が手伝いつつ、各病院施設でも考えていってください。

フィッシュボーンについては、大きな骨を作ってそこから細かく作っていく大骨展開方法と、小さい骨を集めてまとまりを作っていく小骨集約法があります。後者の方がブレインストーミングの意味では優れていると思います。基本的なことでは、フィッシュボーンの頭は右側に書くこと。骨の数は多いほうがいいので意識してください。
またスライドは、わかりやすいように体言止め、名詞止めにして文字数は減らしましょう。発表時はマスクもつけているので大きな声で、ゆっくりはっきり発音しないとわかりにくいです。事前にチームで練習しましょう。
オーディエンスがどれだけ知識を持っているかを意識することも大切です。普段チームで当たり前のように使っている言葉がどれだけ理解してもらえるか。多職種チームはその意味でもいいと思います。健育会のTQM発表はいつも色々な演題があって、発表を聞くのを楽しみにしています。全国大会での発表もありますし、今後も期待したいです。