前半の発表後、私から忙しい勤務の中で経費削減に取り組んでくれた皆さんにお礼を伝えました。その後、長谷川座長から前半の演題に対する講評を行いました。
コロナが落ち着き、状況に応じてTQMの考え方やテーマも変わりました。TQMは医療や経営の質向上が目標で、満足度や収入増、経費削減など、その時ごとの切り口があって構いません。大切なのは手段をどこに設定するかです。そしてトータルで見て、様々なことに柔軟に対応していくことが特徴です。今回は「経費削減」が前半の統一のテーマで、目の付け所や実際の効果もわかりやすかったです。例年はテーマがバラバラで比較しにくいところがあったので、チームの方向が揃い、比較検討や共有、学習しやすい今年はTQMとしていいテーマでした。
経費削減への取り組みは、チームによって温度差があったと思います。経費削減はどうしても支配的です。例えば20品目の購入単価を安くするだけでなく、20品目を10品目に減らすことができるかが大切。10品目になれば在庫が減り、業務フローでマニュアル単価を管理する部分も減って業務が効率化されます。すると職員の負担も減り、ものによっては患者さんのサービスにも繋がります。
単純な単価削減ではなく、経費削減を入口に波及効果等も見ながら数値で示すのがTQM本来の姿です。今回、職員の意識はよかったですが、患者さんのサービスレベルの向上まで着目したチームが少なかったようです。経費削減は1回で終わる話ではありません。今後継続する上でそこまで見ていって欲しいと思います。
また、経費削減は深刻なテーマで萎縮して暗くなりやすいため、職員全体で明るく、常に前向きに見直しを行うのが理想です。今日は暗い表情が見られず、「いいことをした」という充実した表情が見られました。4分間という短時間で重要なメッセージをわかりやすく伝えられ、非常に整った発表でした。TQMの視点から見ると少し足りない部分もありましたが、皆さんの雰囲気にさらに期待したいと思います。
後半の演題発表に入る前に、「幸せホルモン」についての理事長講話を行いました。
先日、あるプールのプールサイドで障害を持った19歳前後の女の子が、家族に見守られながら気持ちよさそうに風と波の音を聞いているのを見ました。その後、お父さんが女の子を抱いてプールに入り、女の子は少し怖がったのですがお父さんはとても幸せそうな顔をしていました。
障害のある子を持つことは、ある意味では幸せなんだということを強く感じました。もちろん全ての人がそう感じられるわけではありません。ですが私たちは障害を持った人たちに、そうした気持ちを持てるように、幸せな顔にしてあげられるようになってほしいと思います。