「Are you a Wise Leader?
(あなたは賢いリーダーですか?)」要旨
講師:ハーバードビジネススクール教授
竹内 弘高 先生
- ■ハーバードビジネススクールの知的ベースの戦略(Knowledge-Based Strategy)で取り上げられている企業は、日本企業が多い。ホンダ、ファーストリテーリング、エーザイなど、経営とは必ずしも分析ではなく、想いと直感であり、自分の想いを実現化していくことであるということ。
- ■2012年は、ハーバードビジネススクールの歴史はじまって以来、初めてフィールドスタディ(学校の外へ足を運んで学習すること)に単位を与えることとなり、その題材として東日本大震災でクイックレスポンスをした企業を取り上げた。今後同様の危機が起った場合に、これらのケースに見習うべきことをまとめたもの。そのケースの中に、ファーストリテーリング、ローソン、ヤマト運輸、健育会グループが選ばれた。4社それぞれの対応があった。
- ■アリストテレスが提唱した概念、エピステーメ(episteme)、テクネ(techne)、フロネシス(phronesis)の3つがある。エピステーメは形式知、テクネは暗黙知、そしてフロネシスは、‘「いま・ここ(here and now)」という現実を、変わり続けるダイナミックな文脈の中でとらえ、未来の「よりよい」を求め、その時その場で最善の判断と行動をタイムリーに選択する高質な暗黙知' である。
- ■フロネシスを持つ賢慮型リーダーとはどのような能力を持つのか。「1. 善を判断できる、2. 本質を把握できる、3. 場をつくる、4. 本質を伝える、5. 政治力を行使する、6. 実践知を育む」の6つ能力で構成されると考えている。
- ■6番が一番大切で、他のどれを行っていても、これをやっていないリーダーは失格だと、野中郁次郎先生は言っている。
- ■東日本大震災の健育会のケースでは、ミドル・アップ・ダウンが大切だという結論に至った。トップマネジメントと現場のリーダーそして、その橋渡しをするミドル・マネージャーが非常に重要な役割を果たしたということ。形式知化が難しい暗黙知の共有にミドルマネージャーがナレッジエンジニアとしての役割を果たしてた。