Vol.193 新入職員に直接、グループが目指すべき方向性を話しています。

ポジショニングの確立、そして「本質サービス」と「表層サービス」。

職員の皆さんに望むことは、お話しした「グループのMVV、病院・施設理念の理解」「チームワークの構築」の他にもう一つ、自分自身の役割を全うし、それぞれの病院・施設内で自分自身の「ポジショニングの確立」をしてもらうことです。与えられた根本的な役割をよく認識し、自分が所属するチームの上司から求められている役割を全うするということ。そのことが、患者さん、ご家族をはじめとしたクライントの求めている価値の提供につながります。そして、ひいては病院・施設理念、そして健育会グループのMVVの達成に近づいていくことにつながります。このように、皆さんの日々の仕事が、社会貢献につながっていくのです。

また、健育会グループでは「医療をサービス業」として捉えています。医療サービスは大きく「本質サービス」と「表層サービス」の二つに分けることができます。「表層サービス」は、対応力、身だしなみ、接遇といった一般的なサービス業にも関連することであり、「本質サービス」は「診療・介護」と言った医療の根幹に当たるものです。例えば「表層サービス」とは医師は信頼されるに値する言動を取ること、ナースは安心感を、セラピストは高い専門性を提供することです。また「本質サービス」と「表層サービス」が同時に行われることが大切です。

「人間の尊厳は平等」

健育会グループで最も大切にしていることは、「人間の尊厳は平等」ということです。日本の場合は、ラッキーで救われる人もいれば、救われるべき命がアンラッキーで救われないこともあります。このように、私は現場において必ずしも命が平等にあつかわれない場面を何度も見てきました。しかし、人間の尊厳は平等であるべきです。患者さん・ご利用者お一人お一人の尊厳は、医療・介護に関わる私たちの意識と行動で、平等にできるはずです。それを決して忘れないでください。