健育会は「人の尊厳は平等」ということを大切にする
先ほど、健育会はクライアントに価値を提供すると説明しました。私たちのクライアントとは、患者さんに加えて、そのご家族、地域、紹介元、取引先、職員、株主の七つです。そして、健育会は、患者さんに「質の高い医療」、ご家族に「安心」、地域に「貢献」、紹介元に「満足」、取引先に「納得」、職員に「やりがい」、株主に「名誉」を提供します。これらの価値を100%提供することができれば、健育会はクライアントの心を豊かにする、光り輝く民間病院グループになると私は考えています。
そして、職員の皆さんに取り組んでほしいことは、自分自身の役割を全うする、質の高いサービスを全職員で提供する、病院・施設の進む方向をよく理解するという3つです。これらを全て達成できれば150点です。なかなか達成できないと思いますが、努力してほしいと思います。病院が患者さんに質の高い医療を提供する前提になるのが、対応力です。心のこもった接遇や清潔感のある身だしなみ、療養環境の三つがありますが、それだけではホテルとあまり変わりません。病院では、対応力に加えて医師は信頼、看護師は安心、セラピストは高い専門性を提供することが重要です。また、人の命は平等であるという言葉がありますが、現実にはできません。しかし、人の尊厳は、平等に扱うことができます。どんな人に対しても、同じように接することも大切だと思っています。
私は健育会の方向性を示し、全責任を負います
最後に、健育会グループの方向性を示す理事長として、全職員に三つのことを約束します。まず仕事のやりがいです。皆さんが、安心して仕事に取り組めるような職場環境を整備します。次に、一人ひとりの人生の夢を実現できるように努めます。そして最後に、医療・介護に携わる者としての使命感が育つ教育を提供します。健育会グループは、教育に大変力を入れていることも大きな特徴です。仕事が忙しいのに、その後で勉強しなければいけないのかと思うかもしれません。しかし、それによって、医療従事者としての使命感が育ちます。
そして理事長の仕事は、主に二つあります。一つは、この組織がどこに向かうのかを職員に示すことです。そしてもう一つが、全責任を負うこと。皆さんがいろんなことにチャレンジして失敗しても、心配いりません。私が全ての責任を取ります。レベル3以上の医療事故に関しては、時間を問わずすぐに私に連絡入るようになっています。私は医師なので、この事故は自分たちが悪いかどうかについてある程度判断できます。その上で、弁護士に相談して、和解策を提示してもらうこともあります。健育会では「何かあったらどうするの?」という言葉は、禁句です。患者さんにとって良いと思うことは、ぜひトライしてください。
以上が、私が研修で行った講話の内容です。その後は、株式会社ビーフォーシーの相部博子代表取締役を講師に招いて、「医療人に求められること」をテーマに、約2時間の講義を行っていただきました。入職後の振り返りや組織の成功要因、私たちの顧客とゴール、顧客満足から顧客の定着に関することなど、今後皆さんが健育会で働く上で大変役立つ内容だったはずです。もしこの先仕事で難題にぶつかったときに、会場で配付されたテキストを開いてみると、解決するためのヒントが見つかるかもしれません。
新入職員の皆さんは、健育会が光り輝く民間病院グループを目指すための大切な人財です。そして10年後、20年後には、健育会をけん引する戦力に成長してくれることを期待しています。健育会のMVVをはじめ、研修で話したことを1日でも早く実現できるように、私たちの新しい仲間として一緒に頑張りましょう。