Vol.228 「第15回看護・リハビリテーション研究会」が開催されました

各発表・質疑応答を終え、座長の叶谷由佳先生(横浜市立大学医学部看護学科長 老年看護学教授)から講評をいただきました。

コロナの影響で、例年通りにいかないこともあったかと思いますが、一年間お疲れさまでした。現場レベルで起こっている問題を知ることができました。まずは、このような機会を与えていただいたことを改めて御礼申し上げます。

質疑応答では貴重な質問がたくさん出ました。周囲から見たときに、何がわかりづらく、どのような点を知りたいかが表れていたと思います。全国の学会に論文を発表する際などには、今回受けた質問を生かしてください。

共通してお伝えしたいのは「介入研究」についてです。対象には参加できない人がいる一方で、複数回参加できる方もいますので、どうしても差が出ます。参加に関係なく、介入前後で意識の変化を調査する方法「Intention-to-treat」があります。「介入の前後で」「同じ人たちが」「どのような介入を受けたのか」を明確にすると非常にわかりやすくなるはすです。

また介入研究の際には、「どのような理論的枠組みのもとに」進めたかをわかりやすく伝える必要があります。検証の際に採用した理論には何かしらの意図があると思いますが、今回の発表の一部では、その点の理由説明が少し不足している印象を受けました。採用した理由とともに結果を述べる。「効果的」と判断するための、具体的・客観的な要素があるとよりすばらしいと思います。

回復期リハビリテーションは、看護師が担う新しい分野で、研究はまだ多くありません。今回の発表を通じて、2割はしっかりとやりがいを持っていることがわかりました。「どのような視点でやりがいや専門性を見出しているのか」を考察してアピールできれば、急性期病棟から移籍した方など次につながり、グループ病院ならではの強みが発信できると思います。

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