医療の質マネジメント計画は、「インシデント」、「クリニカルアウトカム」、「診療にかかわる書類の整備」、「患者満足度」の各項目について、全ての病院の昨年実績と今年度計画をグラフ化した資料をもとに意見交換を行いました。健育会グループでは、急性期や慢性期、病床数や地域性によってそれぞれの病院に特徴があり、一概にデータを横軸で比較することはできませんが、それらを病床当たりの改善数などに換算することで、なるべく同じ視点でデータを比較できるようにしています。自病院だけでなく他の病院のデータも参考にすることで活発な意見交換が行われました。
会の最後には、私から会の総括と、本年度健育会が目指すことをお話しました。
グループの現状ですが、2017年湘南慶育病院とねりま健育会病院の開設による厳しかった財務状況は、2019年にはV字回復。2020年度も予算をクリアする安定した運営となりました。
振り返りますとこの20年間は病院、施設の新設だけでなく、既存の病院の建て替えも行いました。また医療の質を上げ、予算目標を達成するための「プロセス(仕組み)」もできている環境であると認識しています。医療に関しての「ストラクチャー」はハード・ソフト面ともにほぼ整っている状況です。
この状況において今後、健育会グループは一体何を目指すのか――まさに我々のミッション「光り輝く民間病院グループ」の実現に向けて“アクセルを踏む時期”です。実現に必要なものはビジョン。各病院理念を達成するためには「クライアントの心を豊かにする」ことが求められます。私が目指す医療は、一律ではなく、患者さん個々の人間としての尊厳、「その人らしさ」を大切にした医療・介護の提供です。職員全員が常に「どうすれば実現できるか」を考えることができるよう、刺激を与えていただきたいと思います。
具体的には、クライアントに提供すべき価値(バリュー)をもう一度確認し、質の高い医療サービスを考える中での「チーム医療」を確立することです。