Vol.235 【特別対談】慶應義塾大学・渡辺光博先生と描く遠藤エリアの未来像

医療・大学・地域が一体化した
健康長寿社会のモデルケースとして世界に発信したい

渡辺:ラボでは基礎から臨床までの研究を行っています。私の夢は、その流れを作ることです。基礎的に詰めた本当にいいものだけを臨床研究に乗せ、その結果を世に出して貢献していきたいです。

さらに、ここ遠藤エリアを「健康長寿社会」のモデル地区として、世界に発信したいと考えています。遠藤は自然が豊か。病院の奥にも広大な土地がいっぱいあります。遊歩道のある「健康の森」を整備しているところです。実際に、畑のある古民家を残し、湘南慶育病院の臨床の先生が患者さんとともに農作業をしています。自分で植えたトマトの成長を見たり、土間でおしゃべりをしたり…みなさん本当に楽しそうに過ごしているのです。健育会にはデイケア施設もありますので、システムが構築されればそのような利用者さんにも活用していただきたいと思っています。

3年前に始めた「健育祭」も、初回は700人程度でしたが、2回目は2000人、今年はオンラインを使いながら1万人に近付きました。今年はコロナウイルスの関係で現場開催できなかったことは残念ですが、湘南慶育病院を日本中、世界中に知らせる機会にもなったはずです。

竹川先生には、研究だけではなく街まで幅広く見ていただき、毎年“病院”と“大学”、“地域”の一体化に向けた取り組みの夢は、少しずつ叶っています。湘南慶育病院を中核にして、これから日本が抱える「健康長寿社会」の実証実験をしながら、モデルケースになりたいと考えています。

渡辺先生の遠藤エリアモデルケース構想は『KEIO SFC REVIEW』でも取り上げられた

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