Vol.264 健育会が社会福祉法人の使命とすること


今回、ベスト20に選出され大変嬉しく思います。ただ得点を構成する7項目はどれも介護サービスに必要不可欠なもので、35点満点は当然のことと考えています。また今回は高得点ということに加え、特化した取り組みを実践している事業所が選ばれた印象です。

例えば東京の南陽苑は施設の中に3つの特養及び研究・研修センターを設置する歴史ある事業所ですし、神奈川の潤生園はケアポート板橋と同様にEPAに特化しています。ケアポート板橋において評価していただいた大きな取り組みとしては、TQM活動(総合的品質管理)とEPA(経済連携協定)の2つであると考えます。


TQM活動の取り組みは、健育会法人全体で16年前から継続して実施しており、毎年1年間の研究を通してエビデンスに基づく介護に取り組んでおります。医療のTQM推進協議会が主催する全国大会での発表も毎年参加させて頂き、ケアポート板橋は4年連続で優秀賞を獲得するまで、その質は高まっております。当初は手探りでしたが、年数を重ねるうちに業務の中でもPDCAサイクルを回すことが職員一人一人に根付いていることを実感しています。業務内で課題が生まれたらその考えられるファクターを浮かべ、計画の立案。アクションを起こして、評価後にまた再計画を立てる、という一連のサイクルが習慣化することで、どの様な場面においても解決方法を自然と身につけることにつながっています。

また全国大会では他法人の80演題近くの取り組みを聞くことができ、そこで新たなことを知り、面白い、有益だと思ったらすぐに実行に移す風土があると思います。研究で日々の負担は増えますが、実行して利用者さんや職員がより快適になる様子を見ることは、職員のモチベーション向上ややりがいにつながります。

TQM委員会が研究した代表的な取り組みでは、口腔ケアの改善による誤嚥性肺炎0名やむくみの改善、ベッド上のポジショニング、車いす上でのシーティングや移乗用リフトやスライディングシートなどを活用して職員や利用者さんの身体的負担を軽減させる「持ち上げない介護」の実施なども行っています。