Vol.276 第16回「チーム医療症例検討会」を開催しました

  • 終末期ケアから通常プランへの実現
    喬成会介護事業部 ナース イン 花ぴりか
    介護福祉士 柏野 敬子
  • 5 年ぶりの音楽ライブ鑑賞を目標に
    歩行能力の改善が図れた症例
    介護老人保健施設 ライフサポートひなた
    理学療法士 黒川 良輔

前半の発表を終えて、亀山名誉教授から丁寧な講評をいただきました。

①ライフケアガーデン湘南

臨床心理学者のシェリー・タークルは、家族がいても家庭がない孤独の問題を、現代社会の大きな社会的問題だと提示しました。家族がいてもコロナ渦でオアシスを失っている事例は多いと思いますが、この症例はそこに一石を投じたプラス思考の症例だと思います。

②ケアポート板橋

1996年に放映されたドキュメンタリー番組「ゆっぴいのばんそうこう」で、大脳の90%が機能せず、嚥下障害で専門家に経口接種は難しいと診断された子が、車椅子の座位を30度傾斜すれば食事ができると気づいた例に通ずると思いました。リハビリの方々とチームを組んで学んだ素晴らしい事例です。

③しおさい

以前私がいた重度障害者施設で「生きている間にスイスの山に行きたい」という障害者がいました。そこで私の同行を前提にドイツのロマンチック街道を観光。彼は母親が作った着物と草履、腰巻きを着用していたことから、一緒に写真撮りたいという外国人が多く現れて人気者になり、彼はすっかり自信を持ちました。今回の症例のように積極的に外出し、母親の好きだった文化的活動に積極的に関わり、自叙伝を制作されて人生を全うされました。

④ケアセンターけやき

この症例実践は、2001年にWHOが改訂したICFの思想に関連していると感じました。ICFは国際障害分類ではなく、国際生活機能分類であり、個人因子と環境因子を見極めて、この障害のように本人の希望を重視して生活支援を展開しています。また環境因子には、人的、物的、社会的な環境の3つの視点が定義されており、今回の症例はそれらの視点を踏まえた優れた内容になっていたと思います。

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