Vol.284 2023年度の既卒新入職員研修を開催しました

ここで、健育会グループが民間病院として素早い決断とチャレンジを行なってきた、各病院・施設の事例を紹介しました。
東日本大震災で津波に遭い、患者を上階へ避難させて診療を続けた旧石巻港湾病院(石巻健育会病院)と、閉鎖を余儀なくされた近隣の石巻市立病院の事例。過疎地域で「救急医療を断らない」という理念のもと、30年間小児救急まで対応してきた西伊豆健育会病院。慶應義塾大学病院とコラボレーションし、民間病院でありながら教育や研究も行う湘南慶育病院の設立。そしてコロナ禍に、リハビリ専門病院である石川島記念病院をたった1ヶ月でコロナ病棟に切り替え、注目された事例などです。

皆さんは、こうした健育会グループの進むべき方向性を意識した上で、各病院・施設の地域で我々が行うべき医療・介護を考えてください。土地ごとに地域性や経営資源、特殊性は異なりますが、共通しているのは「クライアントの心を豊かにする病院」というビジョンです。
このビジョンは言葉で言えるだけでなく、皆さんが5年後、10年後に自分の病院がどうなっているかを絵に描いたとき、同じでなくてはいけません。それが効率的な病院経営につながっていくからです。
国公立病院の職員は皆、本当に一生懸命働いていますが、“目標とする医療”のベクトルが職員によって違うために、力を消しあってしまうのです。自分たちの理想の病院像とそこに向かって何をすべきかを共有しておくことが一番大切です。

そして「クライアントの心を豊かにする病院グループ」であると世間で認められた時に初めて我々のミッションである「光り輝く民間病院グループ」が認識され、我々のところに公立病院から民営化のお話が来るのだと思います。まだ来ていないのは、認知が足りていないから。私も頑張って皆さんとともに世間にアピールしていきます。