そして今日は、ある銀行の冊子に若手育成についての面白い記事が載っていたので紹介したいと思います。前半は「チャレンジする文化を育てるマネージメント」、後半は「新人にどうやって馴染んでもらうか」についてです。
前半の「チャレンジする文化を育てるマネージメント」は、部下だけでなく、管理職の皆さんにも当てはめる気持ちで聞いてください。冊子には「仕事を通して成長したい」という思いが全くない若手はほとんどいない、とあります。しかし、その思いが見えないところに問題があります。その思いを表に出してもらうために、上司や周囲がどうやってサポートするか、思いを出しやすい文化をどう作っていくかを考えることが大切です。これができれば、健育会にもチャレンジする文化が根付いていくと思います。
冊子には、マネージメントする上で知っておくべきいくつかの「前提の変化」が挙げられています。1つ目が「若手が取り組む仕事特性の変化」。既存事業の成熟・縮小した業務に若手が取り組むと「工夫の余地が見えづらい」「先輩や上司もアドバイスできない高難度の仕事」と感じ、同じことの繰り返しになって飽きてしまいやすいと言っています。
医療職も、ある意味では毎日パターン化された仕事の繰り返しです。その部分の脳は毎日使っていますが、問題はそれ以外の脳をどうやって使うかです。それこそが職員1人1人が人生の夢を描くためにチャレンジしていく姿勢につながります。
2つ目は、「現場OJTの機能不全」です。「中小企業でもギリギリのリソースで事業が営まれていて、上司も先輩も自分のことで精一杯。目先・当面の仕事の遂行に必要な最低限のコミュニケーションはともかく、若手が感じている疑問や悩み、素朴な違和感を表出されるようなコミュニケーションは減少している」とあります。
医療職も典型的な現場で、OJTの機能不全があるために若手の成長願望が出てこず、日々の業務に飽きてしまう人が多いです。退職理由も、健育会が嫌だからではなく、飽きたから他の職場へ行きたい、となってしまう。毎日患者さんに優しく接して頑張っていると思っていたのにある日突然辞めてしまった、なんてことにならないよう、しっかりコミュニケーションを取って現場のOJTを機能させてください。
ここで1番危ないのは、次のページにある「慣れてきた当たり前のルーチン」です。新人は、はじめは色々な悩みを持っていますが、それらを克服して落ち着いてくると、2〜3年で一人前になり、仕事に慣れて同じことの繰り返しでつまらないと思うようになる。その時に、現場OJTが機能不全に陥ってしまうと転職してしまうのです。
冊子では、その解決策が「仕事への集中」だと言っています。仕事がルーチンだと、同じことの繰り返しになって集中力が欠如してしまう。そこで自分の目標をみつけ、目の前の仕事が目標につながるとわかった時に目いっぱい集中できるようになり、 違った脳が働き出すのです。それには上司のサポートが欠かせません。