Vol.291 「経済同友会 牛尾治朗元代表幹事 追悼シンポジウム」に登壇しました

――本年4月に発足した新浪同友会で発信されたキーワード「つながる」「開く」「動く」を念頭に、「改革を先導し行動する政策集団」である経済同友会がどの様な進化を遂げていくべきか?

先ほどの「政治家の方とか行政の方が民間を知らない」という話は、全くその通りだと思います。厚生労働省で医政局長をしばらく務めてから私のところに来た医師がいるのですが、霞が関で考えていることと民間の考えていることは全く違う、民間はこんなに面白いことをやっているのかと驚いたそうです。やはり、そうした交流がなくなったことが1つあると思います。

同時に経営者の方々も、国の方針を考えずに自分たちの会社優先で経営されていると思いますが、国が抱える少子化の問題などについて政治家に任せっきりにするのではなく、企業でもできることをやっていくことが必要だと思います。新浪さんなど、率先してやられている経営者の方も経済界にはおられます。私の医療法人では、来年のキャッチフレーズに「健育会に入ったら、結婚できます。子供ができます。子育てできます。」という言葉を揃えました。国の少子化対策に頑張って貢献していきたいと思っています。

最後に私が同友会を一度辞めたのは、実は経済同友会も経済団体の中で成熟してきて、ドラスティックな発言に対して否定的な意見が見られたからです。私が20年前に医療改革委員会で現役世代の医療保険は現役世代のものであるので「高齢者の医療は、国の財政によってどうするかを国民が考えるべき」と言ったところ、「じゃあ老人は死ねというのか」「医療で儲けるのはどうなんだ」という声が聞かれました。やはり経済同友会も改革マインドがなくなったと思っていましたがが、久々に戻ってもう心配することはないと今日感じました。