Vol.328 日本経済新聞の「deep insight」に記事が掲載されました

海外からの医療従事者の受け入れについては、当時、日本における医療・介護の人材不足が容易に想定されたため、2004年経済同友会提言「医療先進国ニッポン」を目指して」のなかで外国人の積極的な受け入れを明記しました。健育会グループでは、この提言に先立ち、ケアポート板橋において日本語学校と連携し、フィリピンの留学生2名のトライアルを実施していました。ご利用者との相性も良く、日本の介護に適合すると判断し、EPA制度元年となる翌年には、インドネシアより介護福祉士候補生1名の受け入れを開始しました。以後、今日までに累計18名の候補者を受け入れ、現在も3か国(尼・比・越)13名の仲間が定着しています。2013年9月には、当時の天皇皇后両陛下による行幸啓訪問に当施設をお選びいただき、EPA介護福祉士候補生に対して「日本の高齢者を支えて下さり、ありがとうございます」と一人ひとりにあたたかいお言葉を掛けていただきました。

30年の月日が経ち、村山記者は「日本の医療業界における経営改革は一向に進んでいない」と述べています。残念ながら、私自身も同様の気持ちを抱かずにはいられません。
しかし、村山記者は健育会グループの経営スタイルを例に挙げ、「工夫次第で良い医療を目指すことは可能である」とも語っています。この点については、私も深く共感しています。効率的かつ質の高い医療を提供することは、工夫と努力次第で十分に実現可能であると私は確信しています。

健育会グループは、「光り輝く民間病院グループ」を理念に掲げ、質の高い医療を提供してきました。医経分離の「ツートップ制」をはじめ、全員参加型の「Our Team経営」の実践。医療DXの積極的な導入や、職員がやりがいを持って働けるよう、充実した福利厚生を整えるなど、さまざまな工夫を凝らしています。
健育会グループは、「失われた30年」と称される厳しい経済状況を、工夫を凝らすことで乗り越えてきました。
日本の医療介護業界は、防衛費や少子化対策の強化に伴い、今後さらに困難な局面を迎えることが予想されます。そうした中にあっても、私たちはこれまでの30年間で培った経験と学びを活かし、いかなる時も工夫を凝らし続け、効率的かつ質の高い医療を提供できるよう、日々邁進していきたいと考えています。