これらの処置を行っても皆さんが罪に問われないのは、人の命を救うという大目的があり、国家資格というライセンスを所持しているからです。
皆さんの日々の選択や行動は、それほど重い責任の上に成り立っています。
自分たちが患者さんやご利用者の生死に関わる、責任ある立場にあることをしっかりと理解してください。
医療の現場において、「うっかりしていた」というような過失は決して許されません。
上の空で患者さんやご利用者と向き合うことは、その方の命をないがしろにしていることと同じです。必ず全身全霊で向き合い、目の前の業務に集中することを徹底してください。
今お話しした「社会人としての責任」と「医療人としての責任」の2つは、必ず認識しなければならないものです。この2つの責任を理解して初めて、皆さんは医療・介護の現場に立つ資格を持つことができます。
この責任をないがしろにした場合は、新入職員に限らず、長年現場を経験してきたベテラン職員であっても、厳格に注意し処分を下しています。
自分たちは人の命に携わる、厳しい職業に従事しているのだという自覚を、強く持ってください。
次に、健育会グループが独自で行っている取り組みや、理念についてお話しをさせていただきます。
まずは「医療人としての使命感」についてです。
働き始めたばかりの皆さんの中には、医療人としての使命感がまだ十分に育まれていない方もいるかもしれません。
私も医師になったばかりの頃は、使命感を明確に意識することはできませんでした。しかし、大学病院で勤務する中で、目の前の仕事と並行して厳しい勉強をし、また研究に励み、上司や患者さんから認められ、お褒めの言葉をいただくことによって、徐々に医療人としての使命感が芽生えていきました。
健育会グループでは、皆さんの使命感を育てるための勉強の場を数多く提供しています。
その一つが学会や研究発表の場です。職員の皆さんは日々の業務の傍らでそれぞれの研究を進めています。
毎日の忙しい仕事の中で学術活動を行うことは、非常に厳しいことだと感じるかもしれません。私自身も、大学病院で勤務しながら研究に追われていた時期は、その目まぐるしさにさいなまれていました。
しかし、研究を行うことで医療従事者は「科学者としての論理的思考」を身に付けることができます。
論理的思考は、患者さんやご利用者の治療・ケアを行う上でとても重要です。データや数値に基づいた冷静な判断は、目の前の方々を回復に導く大きな成果をもたらしてくれます。
日々の勉強や研究は、患者さんやご利用者の治療に貢献するためにある、ということを常に念頭に置いて取り組んでください。
自分の持つすべての知識を総動員し、更なる回復を促すために文献を調べては分析し、多角的なアプローチを試みる「飽くなき探究心」が、皆さんの医療人としての使命感を育んでいきます。
また、健育会グループでは「病院の運営」や「質の向上」に貢献した職員を称える「理事長賞」という表彰制度を設けています。
日々の勉強も大切ですが、自分自身の行動を誰かに認めてもらえたという達成感も、医療人としての使命感を育てる上で大きな力になります。
健育会グループには、頑張った人をきちんと評価し、組織全体で称賛する環境があります。ぜひ、全力で日々の業務に取り組んでほしいと思います。

