全ての演題と報告が終わった後、来賓の東邦大学医学部教授 長谷川友紀先生より講評がありました。
「チーム医療は足し算ではなく、それ以上のプラスアルファの価値を生み出していくことが必要であり、それがうまくいくのは双方にバランスをとるコミュニケーションが大切です。また、一人の事例から教訓を引き出し、他の事例でも展開できるかどうか。そういう視点で発表を拝聴させていただきました。東日本大震災の報告では、医療提供者も同時に被災者となるということを考えさせられました。また、グループの重要性も再認識しました。現場で腹をくくるのはとても大切なことですが、それも支援無しではそれも継続しません。だんだん健育会グループの結束が大きくなってきていると感じました。今回のセミナーを受け、健育会グループが非常に大きな発展を遂げるのではないかと、楽観視しています。」
健育会グループ 竹川理事長からは以下のような講評がありました。
「みなさん大変お疲れ様でした。まず、本日は遠路お越しいただき、ご講演をいただいた大久保暢子先生、誠にありがとうございました。グループで取り組んでいる看護研究にも大変参考になるご講演でありました。また脳血管障害の患者さんが起きる看護プログラムのケアによって反応したスライドには感銘をうけました。人間の生命力には必ず奇跡が起こるというのがこのチーム医療症例検討会のもともとの発想であり、まさに我々が目指すチーム医療の症例でありました。また、いわき湯本病院、石巻港湾病院の被災報告は皆さんの心に残るものであったと思います。一言で言えば健育会の理念である「医療、介護に携わる者の使命感」の高い職員とその団結により乗り切れたのだと思います。私はこの職員の皆さんを誇りに思います。
症例発表では、成功から自信を、失敗からは反省と謙虚を学ぶことが大切であると常に考えています。本当のプロは自信と謙虚さを持っているのです。中でも心に残ったのは、竹川病院の症例です。チーム医療の中で医師が活躍した事例はこれまであまりありませんでした。また介護老人保健施設しおさいの発表にあった‘チームに貢献する個人プレー’という考えも素晴らしいと感じました。我々の使命は、今日発表されたような改善例から得た教訓をアピールし、ミラクルが将来ミラクルでなくなるようにレベルアップしていくことです。これからの取り組みに期待しています。」
全てのプログラムが終わった後には、懇親会。乾杯は宮澤潤法律事務所の宮澤潤先生。「本来はお疲れさまでした、というところだと思うのですが、全く疲れませんでした。」という、今回のチーム医療症例検討会が大変興味深かったことを先生らしくユニークを交えながら話して頂き、会場が笑顔で包まれました。乾杯後の歓談の時間には、発表中に質問しきれなかった内容を演者に質問する人などグループを超えた交流が進みました。
健育会グループではこのように「チーム医療を発揮することで、現代の医学の常識を超えて奇跡の回復を成し得た症例」を蓄積し、グループそしてグループを超えた医療の発展の力にすべく邁進してまいります。