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【時代が変わっても変わらぬ看護実践の本質】講演要旨
- ■ 看護/介護の難しさは、患者さん、そして職場環境、すべて一律にはいかない。アメリカの看護診断や看護理論がどうして日本でうまくいかないか? これは環境は違い過ぎるから、文化背景が違うから食べ物も違うから価値観が違うからである。 したがって日本には、日本の考え方に根ざした、日本の条件・状況に根ざした方法やシステムを作らなければならない。非常にある面では難しく、ある面では、非常に面白い仕事。
- ■ 三段重箱で、一番下の箱の中に看護師と介護士がいるとすれば、彼らは同じ理念を共有しなければならない。 つまり看護とは何かと聞かれた時には、人生観を語ったらいけないのですね。 誰もが同じ発想で看護はこういうものであると言えなければならない。これが看護の原理や本質であり、40年かけてナイチンゲール思想から学んできました。 そのナイチンゲール思想を、今ではKOMIケア理論※、私の名前を付けてKOMIケア理論と呼んでいる。
- ■ 看護の歴史は人類誕生と共にある。 つまり健康を逸脱した人達、健康障害を起こした人達、特に乳児に対し、病気したり怪我をした人を助けたり、あるいは、お産の助けをするなど本当に人間としての当たり前の行為が看護である。 その行為は人間と他の動物との決定的な違いでもある。 他の群れをなしている地球上に住んでいる動物たちは看護行為は一切ない。
- ■ ナイチンゲールは、私の研究の結果では、非常に多くの顔を持ちスーパーウーマンとして活躍している。看護の発見者、優れた看護管理者、統計学者、 病院建築家、衛生改革者、 そして最後は、ソーシャルワーカー。
- ■ 例えば病院建築家としては、ナイチンゲールが考え出した病棟構造を作っておけば、2次感染は絶対に防げるという感染防止のための病院構造であった。これは世界中で広がっていき、現在でも病院建築家の先生達はこれを古典として読んでいる。