全ての演題が終わった後、田中院長から講評を頂きました。
「一見すると回復が難しいと想われる患者さんも、予想以上の回復をしている素晴らしい取り組みが発表されました。
熱川温泉病院の発表では、コミュニケーションがなかなかとりにくい患者さんは難しいと思いますが、患者さんの残存機能からのサインを見逃さずにチームでよく関わったことが、回復に結びついたと感じました。
石巻港湾病院のせん妄を発症した症例の発表では、適切な対応と本人の想いを上手に傾聴して思いを共有できたことが回復に繋がったのではないかと感じました。
いわき湯本病院の症例の発表では、覚醒機会をうまくとらえていったということも各職種の話し合いが功を奏しているのではないかと思います。
竹川病院の症例の発表では、各職種のコミュニケーションが非常にできており、このことが最終的に患者さんの意欲を引き出せたことに繋がったと考えています。
西伊豆病院の症例の発表では、ALSの患者さんは、非常に難しいと感じました。本人の精神的ケアもそうですが、ご家族の負担をどう軽減していくかも大切です。そのような中、医師だけではなく、医療相談員を含めたすべての各職種の連携し、目標を一致できたことが今回の成果に繋がったと感じました。
花川病院の事例も、本人の意思を非常に尊重して、職種横断で一体となっており、これがまさにチーム医療ではないかと感じました。具体的な各職種の関わりを考えてみますと、医師は薬の調整と患者さんの診療だけではなく、監督あるいは治療方針を決定する、リハビリスタッフは出来る機能のアップをしていく、看護・介護職はそのそれを実際の現場で応用できるようにしていく、栄養士は患者さんの体力回復のための栄養バランスの調整ですとか、食べやすい形態を考える、医療相談院は患者さんの社会復帰について調整して、普通の生活に戻れるようにする等、全ての職種がうまく連携することが大切で、これがバラバラにそんなに効果は上がらないと思います。全員が同じ方向を向いて、これらをきちっとやることによって、チーム医療として十分な効果を得られるということを今回のチーム医療症例検討会で改めて感じました。最後になりますが、健育会グループの医療の原点としてのチーム医療をこれからも実践していきましょう。」