私の考える質の高い医療は「医療技術」「介護」「生活活性」「ホスピタリティ」です。この中の生活活性は、例えば、極端な例ですが、がんの末期で余命宣告されているような方でも、今日生きていてよかったと思って頂ける関わりです。また,たとえ同じ年齢・病気であっても、患者さんは一人ひとり個性があります。そこで、これらのことを、一人ひとりの患者さんのニーズに合わせて適切に提供すること、それぞれの役割の職種の人が患者さんを中心として情報を共有し、自分の役割をしっかりと理解していること、すなわち「チーム医療」が大切なのです。大学病院等で提供しているのは、高度先端医療です。我々の言う、「質の高い医療」とは違うと理解してください。
病院・施設は、それぞれロケーションも違うし、機能も地域の特性も違います。そこで、一つ一つの病院・施設にそれぞれ理念があります。自分の病院の理念については、しっかりと頭に入れてください。強い組織というのは、職員一人ひとりが、理念をしっかりと理解している組織です。理解していると言うのは、例えば「竹川病院はどのような病院を目指していますか?」と聞かれた時に、職員それぞれが目をつぶって想像しても同じような絵が浮かぶと言うことです。
自らが求められている役割については、上司から聞いていると思います。その役割をしっかりと全うしていく、そして同時にチームワークと言うものを意識してもらいたいと思います。皆さんがそのように取り組めば、病院理念は実現し、病院理念が実現できれば、グループ全体で光り輝く民間病院グループを実現できる訳です。それがひいては、日本の医療崩壊を救うと考えています。
我々のグループでは、医療をサービス業と考えています。多くの患者さんは今、自分たちで病院を選ぶ時代になっています。そういう意味でサービス業だと言えると考えているのです。サービス業で大切なことは、大人と大人の関係で権利と義務があるということです。医療は究極のサービス業です。医師には「信頼関係」が、看護師には「安心感」が、そしてセラピストには「専門性」が問われます。