2019年3月2日(土)、第13回看護・リハビリテーション研究会が健育会グループ本部近隣のベルサール神田において行われました。
この研究会は、「医療専門職は、論理的思考・統計的な視点を身につけた科学者であるべきである」との考えから開催を始めたもので、今年で13回目となります。質の高い医療を継続的に提供していくために、各病院・施設のセラピストと看護師がそれぞれチーム単位で研究テーマを選定し、1年を通じて研究した成果を学会形式で発表をします。
まずはじめに私から参加している職員に向けて、以下のような話をしました。
今日はまず午前中に国立病院医療センター 尾藤誠司先生に「終末期医療」についてのお話を伺います。理事長トークvol.198でもアップしているように、現在、日本の延命中心の終末期医療に多くの国民が疑問を持ち始めています。それは「医療の使命は1分、1秒でも心臓を長く動かすことだ」という考え方に、医療人だけでなく国民の皆さんも、「それで果たして患者さん、ご家族は幸せなのだろうか?」と考え始めているということです。では安易に延命を中止して良いのか?というと、もちろんそれではいけないので非常に難しい問題です。 私たち健育会グループは、この難しい問題にいち早く真正面から取り組み、「患者さんやご家族が納得の終末期を迎えるためには、我々医療人は何をすべきなのか?」ということを、医師研修会などで機会を作って議論してきました。今日の講演では、そのような意味で大変示唆に富むお話を伺えるものと期待しています。
また正に午後に行われる研究発表会は、今年で13回目となります。13回という会を重ねてきた結果が抄録にも現れ、「継続は力なり」と感じました。抄録から内容はよくまとまっているように感じました。研究の中には、業務に密接に関わった研究や、また業務とは違った視点からの研究などありますが、しかし研究の目的は一つです。それはいつも皆さんに言っていますように、「論理的思考を身につけること」です。「今やっている治療・ケアは果たしてこれで良いのか」「もっと他に良い方法はないのか」「もっと効率的にできるのはないか」「もっと患者さんに良いことができるのではないか」というような視点を常に持ち続け、自分たちがやっていることを見直し、改善につなげていくことが研究の目的です。そのような研究の成果を今日の研究会では聞けるものと思いますので、皆さんの気合いの入った発表を期待しています。よろしくお願いいたします。