Vol.260 部長会議

●熱川温泉病院
患者さんと表面的な関わりを持つのではなく、療養中に本人の職業や関心ごと、望んでいることを聞き出し、できるだけ患者さんの思いに寄り添うことを心がけています。
骨髄異形成症候群を患う92歳男性の終末期ケア事例では、もともと農家で農協にも勤めていたことから、療養生活の中でもスタッフと一緒にかいわれ大根を育てて記録し、農業に触れてもらいました。これにより日常生活の感性を取り戻し、穏やかに過ごしてもらうことができたと思います。日々のカンファレンスで、残り少ない人生を過ごす患者さんに親身な対応をするためにはどうすればいいかをディスカッションすることで、スタッフにも変化が生まれたと実感しています。

●石巻健育会病院
入院時に患者さんや家族の要望を細かくヒアリングし、カンファレンスで多職種に内容を共有することで、退院支援に繋げていくことを目指しています。これにより、従来よりもさらに細かな部分まで話し合いが行われ、患者さんにも丁寧に接するようになりました。さらにスタッフ一人一人が、患者さんの人生に触れることに意識して関われるようになってきたと思います。
事例では、慢性呼吸不全、心不全を患う80代男性が不安を感じていたため、夜勤看護師がベッドサイドで傾聴したところ、心配事や今後の治療についての想いを聞くことができました。そこで翌朝カンファレンスを行い、ご家族にも承認を得た上でACPの介入が決定。同時に患者の想いを記した「つなぐノート」を用いて本人の思いを家族と共有しました。患者の気持ちを繋いでいくことは非常に重要なことです。深く考えないとできない行為、看護計画に出てこないようなケアこそが親身な対応だと考えています。